中国副首相、内需拡大と対外投資促進へ追加措置を表明
(VOVWORLD) - 丁副首相は「海外からの投資を促進するため、規制の緩和を着実に進め、市場アクセスをさらに広げる。すべての国の企業が中国に投資し、発展することを歓迎する」と述べました。
2025年3月27日、中国海南省で開催される博鰲(ボアオ)フォーラム年次総会の開幕式で演説する中国の丁薛祥副首相(写真:THX/TTXVN) |
中国の丁薛祥副首相は27日、海南省で開催されている博鰲(ボアオ)フォーラムで基調講演を行い、中国経済が今年に入り順調に推移しているとの認識を示したうえで、内需拡大や不動産市場の支援に向けて、さらなる政策措置を講じる方針を表明しました。
丁副首相は「今年1月から2月にかけて、経済は着実なスタートを切り、昨年第4四半期からの上向き傾向が続いている」と述べ、「今年の成長目標である5%前後は、慎重な計算と綿密な計画に基づいて決定されたものであり、成長の潜在力や好条件、強力な政策措置に支えられている」と説明しました。
また、「より積極的かつ効果的なマクロ経済政策を実施し、国内需要を包括的に拡大するとともに、対外貿易と投資の安定化を図る」と強調しました。
一方、地政学的リスクや規制上の懸念を背景に、海外からの対中投資が鈍化しており、最新のデータでは、1月の対内直接投資が前年同月比13.4%減少したとしています。
丁副首相は「海外からの投資を促進するため、規制の緩和を着実に進め、市場アクセスをさらに広げる。すべての国の企業が中国に投資し、発展することを歓迎する」と述べました。そのうえで、「不動産市場と株式市場の健全な発展を促進する取り組みを強化する」と表明しました。
さらに、人工知能(AI)や量子技術、バイオ技術、新エネルギー車(NEV)の分野での競争力向上にも触れ、「中国経済は新たなフロンティアに向けて進んでおり、高水準の技術的自立と自主的な強化を加速させている」と述べました。
アメリカのトランプ政権を念頭に「貿易や投資における保護主義に断固として反対する」との立場も改めて示しました。
また、中国人民銀行の宣昌能副総裁は同フォーラムで、「金融政策には十分な余地があり、適切な時期に預金準備率や金利を引き下げる可能性がある」と述べました。国家外為管理局(SAFE)の高官も、通貨・人民元の安定を維持し、過度な変動を防ぐ措置を講じる方針を明らかにしました。(ロイター)