(VOVWORLD) - テトの家庭のしきたりや新春のあいさつ、音楽、料理、装い、暮らし方。ベトナムの文化は今、自信と開放性、そして豊かな個性を携え、新しい時代へと歩みを進めています。
リスナーの皆さん、今日は旧正月テトの元日です。新年あけましておめでとうございます。リスナーの皆さまのご健康とご多幸を心よりお祈り申し上げます。今年もよろしくお願いいたします。
リスナーの皆さん、ベトナムにとって、国際化が加速し、暮らしのリズムが大きく変わる中で迎える新たな時代は、経済成長だけでなく、文化の力によって切り開かれる時代でもあります。テトの家庭のしきたりや新春のあいさつ、音楽、料理、装い、暮らし方。ベトナムの文化は今、自信と開放性、そして豊かな個性を携え、新しい時代へと歩みを進めています。
では、きょうのこの時間は、「ベトナムのテトと新時代における文化の融合」をテーマにした特別番組をお送りします。それは、受け継ぐことと生み出すことの物語であり、伝統と現代が寄り添いながら進む歩みです。文化の融合とは、変化を受け入れ、広く伝え、世界の中でベトナムの価値を確かに示していくことなのです。
海外の来賓が体験するベトナムのテト文化
にぎやかな太鼓の音と獅子舞、龍舞が、ハノイ商業観光短期大学のテトの雰囲気を一層盛り上げました。会場では、ベトナムに駐在する各国大使や外交関係者の参加のもと、ベトナムの伝統的テトの世界が生き生きと再現されました。
イベントには国内外から多数の来賓が出席した(写真:HCCT) |
かつてのハノイの家庭を思わせるテトの供え物のブースには、ちまきバインチュンの緑、おこわソイ・ガックの赤、鶏肉の黄色、酢漬けのらっきょうの白が彩りを添えます。テト菓子を味わいながらお茶を楽しむ一角、均等なリズムで鳴り響く臼の音、赤々と燃えるかまどでバインチュンを煮る光景。こうした一つひとつが、海外からの来賓に深い印象を残しました。
南アフリカ大使館の三等書記官、シルビア・セオケツァ氏は、次のように語りました。
(テープ)
「ベトナムのテトを迎えることができ、とても光栄で幸運に感じています。多くの体験ができ、喜びと幸せに満たされました。今では、ベトナムとテトについて、以前より深く理解できたと思います。バインチュンを味わい、自分で作る体験もしました。私はベトナム料理がとても好きで、健康にも良いと感じています」
来賓が民俗遊戯を体験した(写真:HCCT) |
同じ会場で、屋台を巡り、チェーラムや生姜の砂糖漬けなどベトナム風お菓子を味わいながら緑茶を楽しんだことで、トルコのコルハン・ケミック大使も、「ベトナムの伝統的な風習への理解を深めた」と述べ、次のように話しました。
(テープ)
「ここでベトナムのテトを迎えられて、とても嬉しく思います。ベトナムは、個性豊かで民族のアイデンティティーに富んだ文化を持つ国だと感じました。テトはその象徴です。特に、家族が集い、絆を大切にする点は、トルコの文化ともよく似ています」
また、タイのウラワディー・スリピロムヤ大使は、ゾンの葉、もち米、豚肉、緑豆を使ってバインチュンを包む体験に強い関心を示しました。
(テープ)
「テトの雰囲気を体験し、春の訪れを感じました。今年は午年です。新しい年が多くの良いことをもたらしてくれると信じています。若い世代が、こうした伝統の価値を大切にし、次の世代へと受け継いでいってほしいと思います」
各国大使がブースを見学し、テトの伝統料理を味わった(写真:HCCT) |
料理を味わうだけでなく、多くの来賓がドンホー版画づくりや、おもちゃトーヘー人形作り、年初の文字を願う書道体験など、民間文化にも直接触れました。
書道コーナーでは、ウクライナ大使夫人が「平和」の二文字を求める一方、ベラルーシのウラジミール・バラヴィコウ大使は、自らドンホー版画の制作に挑戦しました。大使は次のように述べました。
(テープ)
「私の体験では、ベトナムのテトは最も興味深く、活気に満ちた祝祭です。ベトナム文化に溶け込む機会を与えてくれます。絵を描いたり、伝統的なもち米料理を味わったりする中で、人々の勤勉さや前向きな精神を感じました。テトは、新たな始まりと、人生の機会を大切にする意味を持っています」
イベントは、ベトナムと国際社会を結ぶ文化交流の架け橋となった(写真:HCCT) |
リスナーの皆さん、テトの空間で再現された民間遊戯や文化交流の催しは、楽しさを生み出すだけでなく、国際社会との連帯と友情を育む文化の力を示しています。
そして、海外の人々がテトを敬意と親しみをもって語るとき、ベトナム文化は祝祭の場を越え、世界の文化の流れの中へと広がっていきます。国の発展とともに、ベトナム文化は世界の文化地図の中で、その存在感を着実に高めています。同時に、文化は外交を支える重要な力となり、ベトナムの魅力と個性を形づくっているのです。
文化・ベトナム外交の「ソフトパワー」
リスナーの皆さん、国際統合が一段と深まる中で、「2030年までのベトナム文化外交戦略」は、文化外交を、政治外交・経済外交と並ぶ現代外交の重要な柱と位置づけています。文化は、ベトナムが国際社会により近づくための「やわらかな扉」であり、親しみやすく、思いやりがあり、創造性と志に富んだベトナムの人と国の姿を世界に伝える力です。
文化外交は、既にある価値を紹介するだけにとどまらず、国際的な文化の場に主体的に参加し、共に貢献することを目指しています。そこでは、ベトナムは単なる受け手ではなく、世界の文化を支える責任あるパートナーとしての役割を担っています。
ゴ・レ・バン外務副大臣(写真:An Đăng/vufo.org.vn) |
ゴ・レ・バン外務副大臣は、新時代の文化的なつながりとは、「開くこと」と「守ること」を同時に進める歩みだと指摘しています。
(テープ)
「ベトナム外交全体、そして文化外交は、新しい時代の戦略的な位置づけにふさわしい転換が求められています。ベトナムらしさに根ざした文化を世界に発信すると同時に、人類の優れた文化的成果をベトナムに取り入れることで、国としてのソフトパワーを高めていく必要があります」
グローバル化とデジタル化が進む現在、文化はもはや後追いの存在ではなく、発展を支える重要な資源となっています。ベトナムならではの文化を、現代的な表現や新しい技術で伝えることによって、特に世界の若い世代との距離は、確実に縮まりつつあります。
2025年7月12日、ユネスコはイエントゥー・ヴィンギエム・コンソン・キエップバック遺跡群を世界文化遺産に登録した(写真:VOV) |
東南アジア文化芸術研究・保存発展研究所のグエン・タイ・ヒエップ副所長は、次のように述べました。
(テープ)
「世界との文化交流を強めることで、民族の個性を守りながら、さらに豊かにしていくことができます。文化の価値を生かすことは、人と人をつなぐ大切な架け橋になります」
もう一つ注目したいのが、国外在留ベトナム人コミュニティの役割です。500万人を超える国外在留ベトナム人は、身近な「文化の大使」として、現地で言葉や風習、伝統を守りながら、ベトナム文化の魅力を自然な形で広めています。それは、ベトナムの姿をより生き生きと、より身近なものにしています。
文化・スポーツ・観光省のグエン・バン・フン大臣は、次のように強調しました。
(テープ)
「文化分野での国際的な関わりを積極的に進め、交流中心の発想から、実質的な協力へと考え方を転換していくことが重要です。ベトナム文化は、私たちの原点であり、世界とつながるための力です」
リスナーの皆さん、いま求められているのは、「自分たちの文化を紹介する」ことにとどまらず、共に創り、共に支え合う姿勢です。自国の物語を語るだけでなく、文化の多様性や持続可能な発展のために、国境を越えて手を携えることが、これからの時代の文化交流です。
決議第80号が実行段階に入る中、文化は民族の確固たる基盤であり内なる力となる(写真:VOV) |
昨年の巳年の瀬には、ユネスコ国連教育科学文化機関の公式サイトにも、新時代の文化発展を掲げたベトナム共産党政治局決議第80号に関するメッセージが掲載されました。ユネスコ・ベトナム事務所のジョナサン・ウォレス・ベイカー代表は、次のように語りました。
(テープ)
「ユネスコは、決議第80号に示されたビジョンを歓迎します。文化を重要な資源と位置づけ、人と価値、文化的な個性を中心に据え、創造産業を育て、多様な文化を守るための道筋を示しています」
大阪・関西万博2025で開催された越日文化交流プログラム(写真:baovanhoa.vn) |
新時代における文化のつながりは、世界の知恵から学びながら、民族の個性をより豊かにし、同時にベトナム文化ならではの価値で世界に貢献していく歩みです。その中で、文化は変わらぬ精神的な支えであり、持続するソフトパワーとして、ベトナムが自信をもって国際社会と向き合う力となっています。
新しい時代においても、ベトナムの文化が世界と結ばれる物語は続いていきます。粘り強く、そして創造的に。世界の流れの中で民族の心を守りながら、ベトナムは、文化の力によって理解され、尊重される存在として歩みを進めていくのです。