司会A: リスナーの皆さん、こんにちは。Aです。
本日は旧暦の12月29日、今年最後の日です。ベトナムでは、明日から旧正月、テトを迎えます。本日は、この1年を振り返る特集番組をお送りいたします。
司会B: こんにちはBです。2026年の新しい年が始まりました。ベトナムの人々は今、国家の飛躍の時代へと、力強く歩みを進めています。
司会A: 振り返れば2025年は、自然災害と洪水に見舞われた一年でした。ベトナムの人々は、極めて過酷な試練を乗り越えるため、必死に立ち向かってきました。
司会B: そうした苦難の中で、人々を支えたのは物質的な支援だけではありませんでした。困難な時にこそ示される、人々の温かい心。そして、軍と住民との強い絆でした。
司会A: 本日の番組では、中部地方の猛烈な洪水の後に再建された家々の物語をお届けします。国境地帯に訪れた温かい春の風景、そして霧深い高地の国境で守られている子どもたちの希望についてもお伝えします。
司会B:そこには、汗があり、涙があり、そして静かでありながら粘り強い笑顔があります。それは、シンプルでありながら人間性に満ちた一つの真実、「誰一人取り残さない」という決意の表れです。
司会B:それでは、「この正月、不安は扉の向こうに置いてきた」という物語からお届けします。
(音楽)
ナレーション:「安らぎのベトナム正月 ~すべての家に平和を~」。困難の中で揺るぎない軍民の絆と、民族の飛躍の時代への希望の物語です。
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第一部:この正月、不安は扉の向こうに置いてきた
司会A:リスナーの皆さん。
2026年の年明け、春の気配がベトナム全土に広がり始めています。しかし、中部地方と中部高原地帯テイグエン地方の洪水被災地では、2025年11月の歴史的な自然災害の記憶が、まだ深い傷跡として残っています。
新築の家の引き渡し式に参加したヴァクアイテイ村の住民 写真:Van Phu |
司会B:そんな中、「クアン・チュン作戦」と名付けられた迅速な支援活動が開始され、被災された方々に新しい希望をもたらしました。
司会A:それでは、復興の息吹を一緒に感じ取っていただきましょう。本当の平和が、それぞれの家に戻ってきた様子を。
パート1:平和が本当にやってきた
2026年1月初旬、ダクラク省とカインホア省の洪水被災地は、まるでお祭りのような雰囲気に包まれていました。もう洪水の轟音も土砂崩れの音もありません。代わりに聞こえてくるのは、新築の家の引き渡し式での喜びの声です。
タイン大佐 写真:Van Phu |
式典に出席した特殊部隊副政治委員、ホアン・ゴック・タイン大佐は次のように語ります。
「完成した新しい家々は、単に雨風をしのぐ屋根ではありません。軍と住民との絆、困難な時の助け合いの精神を表す、生きた象徴なのです。これこそが、皆さんが安心して生活を立て直し、働いていくための支えとなります」
新築の家での集い 写真:Van Phu |
住民の方々にとって、新しい家はレンガや石、セメント以上のものです。まさに奇跡なのです。歴史的な洪水がすべての家を飲み込み、家財道具を流し去った後、わずかな期間で新しい家に住めるようになるとは、誰も想像できなかったからです。
ダクラク省ホア・ティン村フー・フォン集落のグエン・ヒュー・チュンさんは、ロフト付きの頑丈な自宅を誇らしげに案内してくれました。
「本当に安心しました。もう何も心配することはありません。洪水が来ても、ロフトに上がれば安全なんです。もう逃げ回る必要はありません。党、国家、そして兵士の皆さんに心から感謝しています。特殊部隊の兵士たちは本当に大変な努力をしてくださいました。おかげで、私たち家族はきちんとした新しい家を持つことができました」
テトを前に完成された家 写真:Van Phu |
グエン・ヴァン・ベーさんの家には、5人の戦没者と2人の「ベトナム英雄の母」の表彰状が飾られています。震える手でそれらを新居の壁に掛けながら、ベーさんは深い感動を語りました。
「この新しい家で、妻と私は子や孫に、国の方針や法律を守るよう教えていきます。同時に、家族の伝統を大切にし、子どもたちの手本となるよう努めます」
カインホア省バク・アイ・テイ村のラグライ族、チャマレア・チュオンさん一家にとって、この正月は夢が現実になりました。これまで6人家族が長さわずか8メートルのボロボロの家に押し込められ、眠れない日々を送っていました。今では長さ14メートルもある広々とした家を手に入れたのです。
「買い物をして準備を整え、家で子どもたち全員と一緒に年越しをします。兵士の皆さんが助けてくださったおかげで新しい家ができました。本当にうれしく、ありがたく思っています」
仮設小屋で残りの人生を過ごすしかないと諦めていたグエン・ティ・タムさん。今では立派な新居で、満面の笑みを浮かべています。
「言葉にできないほどうれしいです。新しい家には、家財道具も全部揃っています。兵士の皆さんが新しい物をくださいました。親戚が遊びに来て、みんなとても喜んでくれます。美しい家を自慢できますし、早く新居に入れました。兵士の皆さん、政府のおかげで、正月に間に合うように家を建てていただき、新居に入ることができました」
洪水の際、浮き輪とロープを使って30人以上を救助した勇敢な女性、ドアン・ティ・ホアさんは言います。家族は何百トンもの米を失い、莫大な損失を被りました。しかし、近所の人々が新しい家を持ち、特殊部隊の兵士たちが任務を果たすのを見たとき、喪失の痛みが和らいだと感じたそうです。
洪水から逃げるために眠れない夜を過ごした不安、寒さと飢えに耐えた日々への心配。それらは本当に扉の向こうに置いてきました。今、そこにあるのは希望と再生です。新しい家々の扉が開き、春の優しい日差しを迎え入れています。
洪水被災地の皆さんが今感じている「平和」は、単に自然災害が過ぎ去ったということではありません。頑丈な屋根の下での安全の感覚なのです。平和が本当に戻ってきました。これまで以上にしっかりと、温かく。
*(音楽)*
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パート2:猛烈な洪水は去り、人々の心は残った
司会B:リスナーの皆さん。新しい家での輝く笑顔の背後に、ベトナム人民軍の兵士たちの揺るぎない決意の背後には、「台風が次々と」「洪水が次々と」襲った、忘れられない記憶があります。
司会A:一つ一つのレンガがなぜこれほど深い絆を帯びているのか。それを理解するために、時間を遡ってみましょう。昨年11月、生と死の境界線が紙一重だった、あの日々に。
司会B:そこでは、自然災害の破壊力だけでなく、心から心への特別な「行動」を見ることができます。
*(風と嵐の音)*
時は2025年11月に遡ります。中部地方と高原地帯テイグエン地方は、特に大規模な歴史的洪水に見舞われました。水が急激に上昇し、場所によっては約3メートルにも達し、何千もの家屋が水没しました。
田んぼの中に位置する住宅もあり、資材の搬送は極めて困難 写真: Van Phu
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1950年生まれ、ホア・ティン村のグエン・ティ・タムさんは、夜中に水が押し寄せてきた瞬間を、今も鮮明に覚えています。手に服を2着持って逃げるのがやっとでした。家は完全に倒壊し、あたり一面が泥だらけになりました。その時はただ座って泣くしかなかったといいます。
「洪水が3日3晩続いたとき、すべてが完全に崩れ落ちました。何も残りませんでした。もう二度と、雨風をしのぐ場所は持てないと思いました。家の中の物はすべて流され、本当に何も残りませんでした」
ダン・ティ・ジエンさん 写真: Van Phu |
同じくホア・ティン村フー・フォン集落のダン・ティ・ジエンさんも、あの夜のことを思い出すと、今でも震えが止まりません。
「水がものすごい勢いで上がってきて、家の梁にしがみついていたのですが、増水した水の中に落ちてしまいました。翌日の夕方、人々がカヌーで来て救助してくれました。怪我で半月間入院しなければなりませんでした。その時、家も、水牛も、牛も、鶏もアヒルもすべて死にました。悲しくて、もう生きていけないと思いました」
台風11号と12号による災害は、ハティン省からダクラク省まで、長い傷跡を残しました。約1,900軒の家屋が完全に倒壊し、18万4千軒以上の家屋が深刻な浸水被害を受けました。
住宅を引き渡す前の最終工程の仕上げ 写真:Van Phu
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カインホア省では、土砂崩れがバク・アイ・テイ村の少数民族の生活に深刻な影響を与えました。バク・アイ・テイ村人民委員会委員長のグエン・ティ・ミン・グエンさんは、地元でかつてない規模の歴史的洪水について、今も衝撃を隠せずに語ります。
「長期にわたる豪雨で、村々が完全に孤立してしまいました。通信が途絶え、電気も生活用水も失われました。省道には数十か所の土砂崩れが発生し、泥が道路を埋め尽くし、車両が近づけなくなりました」
こうした人々の困難な状況を前に、2025年11月30日、ファム・ミン・チン首相は「クアン・チュン作戦」を開始しました。洪水被災地の同胞のために、迅速に住宅を再建することを目指したのです。訓練場に慣れ親しんだ特殊部隊の兵士たちが、今度は熟練した建設作業員となりました。
ホア・ティン村の建設現場では、年末の日々に休日という概念はありませんでした。兵士たちは「雨でも休まず、作業は止めない」という精神で働き、工期に間に合わせるため夜勤も厭いませんでした。
ホアン・レ・ゴック・アイン少尉は仲間と共に、最も困難な地域で汗を流しました。
「私たちは、人々ができるだけ早く生活を立て直せるよう、最大限の責任を持って家を建設しています。部隊が担当する18軒の家のうち、資材の輸送が困難な場所もあります。時には私自身と仲間が、資材を肩に担いで遠く離れた場所まで運ばなければなりませんでした」
家を建てる兵士たちの姿 写真: Van Phu |
冷たい雨の中で、レンガを一つ一つ、セメント袋を一つ一つ担ぎ、泥沼を越えてi家を建てる兵士たちの姿。住民たちは、その姿に肉親のような愛情を感じました。
ホア・ティン村のグエン・ティ・ミンさんは、住民たちが頻繁におかゆを作り、お茶を淹れて、夜間作業をする兵士たちを支えたと語ります。
「兵士の皆さんが家を完成させて引き渡してくださったとき、本当に感動しました。皆さんがここにいる間、軍と住民との絆はとても強く結ばれていましたから。任務を終えて兵士の皆さんがこの地を離れることを思うと、胸が熱くなります」
軍と住民との絆。この血のつながりが、愛情で建てられた家々を予定より早く完成させました。被災地の人々は理解しています。自然災害がどれほど過酷であっても、自分たちは決して取り残されることはないと。
新しい家が完成したとき、嵐の一年の心配事も終わりを告げました。そして今、そこにあるのは人々の温かさと、新しい春への希望です。
第2部:国境の春 軍と住民を結ぶ温かな絆
A: リスナーの皆さん。祖国の最前線に位置する地域にも春が訪れています。トゥエンクアン省シンマン村では、「軍の女性職員が国境地域の女性に寄り添う」プログラムを通じて、住民や教師、そして子どもたちに温かな支援が届けられています。
B: 深い霧に包まれ、険しい山道が続くこの地域で、軍と住民の絆が特別な形で広がっています。土砂崩れの危険がある山道を何十キロも進み、急カーブが続く道の片側は切り立った崖、もう片側は深い谷です。トゥエンクアン省シンマン村は北部の山岳地帯にあり、現在も貧困世帯が50%を超えています。私たちを迎えたのは山間地特有の厳しい寒さでした。
ナンシン民族寄宿制小学校の屋根設置の完成式 写真:Van Phu |
子どもたちの声 「先生、こんにちは!」
授業の声 「これはマンゴーの木です。こちらはジャックフルーツの木、そしてこれは主食となる作物です」
こうした厳しい環境の中、ナンシン民族寄宿制小学校の分校は、山間部の子どもたちに知識と希望、そして学ぶ機会を届ける大切な場所となっています。しかし、校庭には雨や強い日差しをしのぐ屋根がなく、子供たちは十分とは言えない環境で学んでいます。その状況を見たベトナム人民軍は校庭に屋根を設置する支援を行いました。これは日差しや雨から子どもたちを守るだけでなく、学びへの夢を支える贈り物でもあります。
国防省・政治総局・軍女性委員会のグエン・ティ・トゥー・ヒエン委員長は、次のように話します。
(テープ)
「このプログラムは、温かい思いと責任、そして心からの分かち合いを届けるものです。具体的には、子どもたちが放課後も天候に左右されることなく、安心して遊べるよう、校庭に屋根を整備するなどの支援を行っています」
学校のグエン・バン・ヒエップ校長によりますと、2025年度から2026年度の児童数は364人で、すべてラチー族、フーラー族、ヌン族、モン族、ザオ族などの少数民族の子どもたちです。
(テープ)
「この地域の教育設備は、まだ非常に不足しており、厳しい状況が続いています。
各方面からのご支援、とりわけ『軍の女性が国境地域の女性に寄り添うプログラム』のおかげで、地域の人々も学校も、たいへん励まされています。以前は雨漏りする建物ばかりでしたが、今では校庭に屋根が整備され、新しいテレビも設置されて、子どもたちはICTに触れる機会を得ました。私たち教師も、安心して子どもたちの教育に向き合えるようになりました」
年明けの厳しい寒さの中、最も印象的だったのは、女性兵士や訪問団の女性たちが子どもたちに新しい防寒着を着せてあげる姿でした。一つ一つ丁寧にファスナーを閉め、マフラーや帽子を整えるその手つきは、遠くから届けられた温もりのようでした。
小学5年生のリー・ティ・ホアイさんは次のように話しました。
(テープ)
「とてもうれしくて、誇らしくて、本当に幸せです。この贈り物は、私にとって特別なものです。これから算数をもっとがんばって勉強して、将来は先生になり、両親や村のみんなの役に立ちたいです」
山々に囲まれたこの地域では、兵士の制服の緑と新しく贈られた色鮮やかなアオザイが美しく調和していました。これは子どもたちに教育を届け続ける教師たちへの特別な贈り物です。3年生を担当するホアン・ティ・フエン教師の話です。
(テープ)
「アオザイは、ベトナム女性を象徴する衣装であるだけでなく、私たち教師にとっても、とても意味のある贈り物です。この贈り物には、平地に暮らす皆さんが、この国境の地で働く私たちに寄せてくださった、大きな温かい思いが込められています」
15年間シンマン村で教え続けてきたフエン教師にとって、このアオザイは感謝と敬意の象徴であり、大きな励みとなっています。
「軍の女性職員が国境地域の女性に寄り添う」プログラム 写真: Van Phu |
教育支援と並行して、このプログラムでは生活基盤の向上にも力を入れています。住宅建設や生活支援など総額およそ12億ドンの支援が行われ、特に生活が困難な女性には10棟のチャリティハウスが贈られました。特殊部隊政治局のタ・ホン・クアン主任は、次のように明らかにしました。
(テープ)
「私たちはこのプログラムを実施するため、国の最も困難な地域、いわば“国境の最前線”に足を運んでいます。国境地域の女性や子どもを支えることは、軍と住民の絆を深めるだけでなく、人々の信頼を築き祖国を守る力につながります」
国境の地を離れるとき、温かい握手と別れを惜しむ涙が交わされました。それは軍と住民の深い絆を映し出す光景でした。山々と霧に包まれたこの地で、人と人とのつながりが未来への希望を照らしています。それはベトナム人民軍が住民に届けた新年にふさわしい温かな贈り物です。春が訪れるたびに、平和で豊かな未来への希望がこの国の隅々まで広がっていきます。
(音楽)
ナレーション:「安らぎのベトナム正月 ~すべての家に平和を~」。困難の中で揺るぎない軍民の絆と、民族の飛躍の時代への希望の物語でした。
B: 不安が本当に去った今、私たちは「誰一人取り残さない」という思いのもと、新しい時代へ歩み始めています。
A: 党、国家、軍、そして国民が力を合わせれば、乗り越えられない困難はありません。
B: その思いが未来への希望を照らし、春が訪れるたびに、より豊かな季節を迎えられるようになるのです。