ハノイ市ホアンキエム地区のハンダオ通りにある店。ある午後、カナダから訪れたソフィア・ミラーさんは、土産物売り場で小物をいくつか選ぶと、財布ではなくスマートフォンを取り出しました。QRコードを読み取ると、わずか数秒で支払いは完了しました。小銭も外貨両替も必要なく、為替レートを気にする必要もありません。ソフィアさんは、次のように話します。
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「アジアの2か国を旅行しましたが、いつも現金を持ち歩かなければならず、とても面倒でした。でも今は、QRコードを読み取って支払えるので、旅行がずっと便利で楽になりました」
ソフィアさんと同じく、オーストラリアから訪れたエマ・ジョーンズさんは、次のように話します。
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「これまでは、どこへ行ってもいつも現金を使っていました。両替をしたり、ATMを探したりしなければなりませんでした。でもベトナムに来て、本当に驚きました。初めてQRコードを使って、買い物などの支払いが簡単にできたのです」
ハノイのハンダオ通りで土産物を売るホアン・ティ・ルオンさんによりますと、QRコードで支払う外国人旅行者は、最近、目に見えて増えています。 (テープ)
「以前は、韓国、中国、タイ、カンボジアからのお客様は、現金かクレジットカードで支払うことが多かったです。高額な外貨紙幣を出されることもあり、お釣りをお渡しするまでお待たせすることがありました。今はQRコードを読み取るだけで、あっという間に決済が終わります。キャッシュレス決済は、決済を速くするだけでなく、両替の心配がないので、お客様も安心して買い物ができます。財布の中の現金を気にしなくてよいので、追加で買い物をする方も多いです」
ハノイ旧市街の小さな店から交通・宿泊サービスまで、外国人旅行者が自国の銀行アプリを使い、QRコードを読み取って数秒で直接支払う光景は、いまや珍しくありません。e-Conomy SEA 2025の報告によりますと、ベトナムのオンライン旅行分野における取引総額は、推計で約40億ドルに達し、16%増となっています。従来型の取引からデジタル決済へと移行する流れが鮮明になっています。決済仲介プラットフォームのPayooのデータによりますと、2025年末の数か月間、ベトナムを訪れた外国人旅行者によるキャッシュレス決済は、月平均でおよそ10%増加しました。
ベトナム国家決済株式会社(NAPAS)のグエン・ダン・フン副社長によりますと、以前は、従来型の決済手段が、ベトナムを訪れる旅行者にとって障壁となっていました。しかし今では、銀行口座や電子ウォレットから直接支払えるようになり、外国人旅行者の利便性が高まるとともに、ベトナムでの買い物も後押ししています。
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「各国では、利用者は銀行のモバイルバンキングや電子ウォレットを使い、日常的にQRコードを読み取って支払いをしています。ベトナムに来ても、同じ手順でQRコード決済ができます。自国にいるときとベトナムを訪れたときとで、利用体験にほとんど違いはなく、スムーズに使えます」
利便性に加え、キャッシュレス決済は透明性の向上にもつながります。価格が明確に表示され、取引情報も記録として残るため、旅行者の現地サービスに対する信頼を高めます。こうした変化を受け、旅行事業者にも、ツアー料金や追加サービスへのQRコード決済の導入、スタッフの研修、旅行者への越境決済アプリの利用案内など、積極的な対応が求められています。
ホテルチェーンと旅行会社を経営するグエン・タム・アンさんは、次のように話します。
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「ホテルが複数の決済手段に対応していると、外国人旅行者は、客室やツアーを予約する際、より便利で安心だと感じます。その結果、さまざまなお客様に対応できるようになります。当社では、フロントでの直接決済に加え、9Payのペイメントリンクという仕組みを使い、お客様に決済用のリンクを送っています。電子メールやソーシャルメディアで予約する場合、お客様はリンクを開くだけで、スマートフォンからカードやオンライン決済手段を使って、素早く便利に支払うことができます」
デジタル時代に、観光の競争力は、資源やPRだけで決まるものではありません。資金の流れ、データ、旅行者の消費行動を、途切れのない一つの仕組みとしてつなげられるかどうかにもかかっています。ベトナムにとってQRコードは、もはや単なる決済手段ではありません。現代的な都市観光を支える仕組みの一部になりつつあります。
