クアンバン集落の面積は200ヘクタールを超え、約60世帯が生活しています。その大半がテイ族の住民です。以前、住民の主な収入源は農林業や畜産業でした。一方、この集落には独自の「財産」があります。およそ40軒の高床式の家や、伝統民謡の「テン(Then)」、弦楽器「ティン(Tính)」、竹細工や織物といったテイ族の伝統文化です。さらに周辺には、湖、滝、丘、洞窟などが広がっています。かつては住民の生活の一部だったこれらの文化や自然が再整理され、観光商品へと生まれ変わりつつあります。
「ダット・オアン(Dat Oanh)」という名前のホームステイのオーナーであるズオン・バン・ダットさんは次のように語っています。
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「2023年より前は、コメや、アカシア、ウリなどを栽培していました。生活は安定していましたが、収入は低かったです。2023年にクアンバン集落がコミュニティ・ツーリズム拠点に認定されたのを機に、我が家は集落で観光業へ転換した最初の5世帯のうちの一つとなりました。観光客は私の家で食事をして宿泊します。観光業はほかに比べて収入が良いと感じています」
クアンバン集落は、2023年からコミュニティ・ツーリズム開発の試行地方に選ばれました。特に2024年には、空間や景観のデザイン、観光商品の開発、人材育成、プロモーション支援に加え、文化施設、トイレ、歓迎ゲート、案内板、特産品展示場などのインフラ整備が行われました。
タイグエン省のクアンバン集落における観光開発の可能性について、同省観光振興開発センターのチュウ・ティ・ドー副センター長は次のように述べています。
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「現在、一部の世帯では宿泊や食事、伝統芸能の鑑賞など、観光客の基本的なニーズに対応できるようになっています。しかし、地元の潜在力や、強みを最大限に生かすには、観光商品をさらに拡充する必要があります。美しい景観と住民の温かいおもてなしは、国内客だけでなく、静かな環境で地方の独自の文化を体験したい外国人観光客にとっても魅力的です」
クアンバン集落の素朴で誠実な雰囲気や、文化にあふれた住民の暮らしは、観光客に深い印象を与えています。
ハノイ市からの観光客、ホン・フオンさんは次のように明らかにしました。
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「この集落を訪れて、テイ族の伝統的な生活や文化、住まいを直接体験できました。 現地にある住宅は昔のままの独自性が残っており、住民の方々も親切で素朴です。自然景観も手つかずのまま残されており、とても魅力的だと感じました」
現在のクアンバン集落で重要なのは、住民が従来の仕事を捨てて観光業だけに頼っているわけではない点です。彼らは今も茶の栽培や農作業、畜産業を続け、先祖代々の住まいや、伝統民謡「テン」、伝統料理を守り続けています。そして、これらの価値が観光市場と結びつくことで、新たな収入が生み出されています。
観光客が安定して訪れるようになれば、将来的に住民が集落にとどまる理由は単なる農地だけではなくなります。自身の自宅や特産品、そして郷土の文化そのものが、新たな生計を支える大きな力となっていきます。
