ベトナム観光を新時代の基幹産業に発展させることを目指す政治局決議第26号を受け、メコンデルタ各地では、観光振興に向けた各種施策、独自の仕組みづくりに力を入れています。メコンデルタを、国内外の観光客にとって単なる「立ち寄り先」から「旅の目的地」へと変えていくことを目指しています。

カマウ省のウーミンハーの森に、素朴な歌声が響きます。「緑のダットムイの昼、伝説のウーミンの夜」と名付けられたツアーに参加した観光客の歌声です。カマウの土地と人が持つ、素朴で親しみやすい南部らしさを一層感じさせます。

2日間のツアーでは、豊かな自然の中で、伝統的なハチミツ採りや魚捕り、「笑い話の名人」として知られるバー・フィおじさんの物語、それに南部の森ならではの料理などを楽しむことができます。ツアーを終えた観光客からは、次々と満足の声が寄せられました。

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「このツアーは、運営も各観光地との連携もとても丁寧で、しっかり準備されていると感じました」
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「小舟に乗ってメラルーカの森を巡りましたが、本当に美しい森でした。食事もとてもおいしく、カマウの人たちも親切でした」

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「このツアーでは、ウーミンハー国立公園で夜の動物観察を体験しました。カマウ省の淡水地域ならではの特色ある体験で、国内外でカマウ観光の存在感を高めることにもつながると思います。『伝説のウーミンの夜』を軸に、昼は別の場所を巡り、夜は動物を観察したり、ウーミンの人々の暮らしに触れたりすることができます」

「緑のダットムイの昼、伝説のウーミンの夜」ツアーは、カマウ省、そしてメコンデルタ地域が進める観光需要喚起策の一つです。

先月の独立記念日の連休には、メコンデルタ各地の観光客数が前年同期を大きく上回りました。アンザン省は延べ58万人以上、カントー市は35万3000人以上、カマウ省は21万400人以上の観光客を迎え、ビンロン省とドンタップ省でも高い伸びを記録しました。

こうした成果の背景には、各地が観光商品を積極的に刷新し、既存の観光資源を活用するだけでなく、新たな体験を自ら生み出していることがあります。カントー市のカイラン水上マーケットでは、見学するだけの観光から一歩進み、大規模な食や文化、スポーツのイベントと組み合わせることで、観光客の滞在時間を延ばしています。

一方、ドンタップ省では、増水期ならではの自然を生かし、コミュニティベースドツーリズムを展開しています。ドンタップ省ホン・グー地区人民委員会のグエン・ティ・キム・イエン副委員長は次のように話します。

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「住民や観光客のニーズを見ると、水郷地帯を訪れ、増水期や国境地域の農村を体験することへの関心が非常に高まっています。私たちは、水郷文化や地域文化を生かし、国境地域とも結びつけながら、ホン・グーを観光地として整備し、長期的にグリーンツーリズムを発展させていきたいと考えています」

ビンロン省でも、伝統工芸の村を巡るツアーや、赤い陶器を巡るルート、中州を自転車で巡る体験など、新たな観光商品を打ち出しています。特に、メコン川をクルーズ船で巡り、カンボジアやホーチミン市からの観光客をビンロンに呼び込む新たなルートも設けられています。ビンロン省文化・スポーツ・観光局のグエン・ティ・ゴック・ズン副局長は次のように話します。

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「ビンロン観光のスローガンは『安全で、親しみやすく、質の高い観光地』です。現在は水上観光の魅力を生かしながら、環境や景観を守り、ビンロンの人々の親しみやすさや地域文化を大切にしています」

観光客のニーズに応え、旅行会社も国内旅行者を中心に、近場で短期間に楽しめ、質の高い体験ができるツアーを増やしています。こうした取り組みが相乗効果を生み、メコンデルタは多くの人に選ばれる旅行先となっています。

メコンデルタ観光協会のチャン・フー・ヒエップ副会長は次のように話します。

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「注目すべきなのは、成長の数字だけではありません。観光に対する考え方や取り組み方そのものが大きく変わってきています。既存の資源を利用するだけでなく、自ら観光体験を設計し、文化やスポーツのイベントも企画するようになりました。多くの旅行会社や宿泊施設が優待プランを設けたことで、宿泊客の伸びが、観光だけで立ち寄る人の伸びを上回っています。観光客は、ただ訪れて帰るのではなく、より長く滞在し、より多くお金を使うようになっています」

メコンデルタ各地にとって、最近の連休で得られた成果は、まだ出発点にすぎません。

各地では、インフラや観光商品、地域の観光ブランドづくりをめぐる課題の解消を引き続き進めています。特に、一年を通じて持続可能な観光を発展させ、メコンデルタを単なる「立ち寄り先」から、国内外の観光客が目指して訪れる「旅の目的地」へと変えていくことを目指しています。