こうした中、住宅や事業所の屋根に設置する太陽光発電の導入が進んでいます。電気料金の負担軽減につながるだけでなく、電力の需給調整にも役立ち、エネルギーの安定確保に寄与するとみられています。
北中部タインホア省は、高温で日照に恵まれており、この分野の導入に適した条件が整っています。

同省ハックタイン地区に住むレ・ティ・ガさんは、5年前に設備を導入し、その効果を実感していると話します。
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「設置してから、毎月の電気代はおよそ半分に減り、余った電力の一部は電力会社に売ることもできます。以前は月に100万ドンから150万ドンほどかかっていましたが、今は70万ドンほどに抑えられています。」
屋根置き型の太陽光発電は、家庭や企業が電力を自ら確保できるため、特に消費量の多い利用者にとってはコスト削減の効果が大きいとされています。また、パネルが屋根を覆うことで断熱効果も生まれ、建物の温度上昇を抑える役割も果たします。

導入コストはここ数年で大きく下がり、設置も比較的容易になっています。クリーンエネルギーとしての利点もあり、利用の広がりが期待されています。
タインホア電力会社の副社長、レ・タイン・ビン氏は次のように話しています。
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「省エネの取り組みに加え、太陽光発電の導入も重視しています。今後は、公共施設や工場などでも設置を働きかけていく方針です。また、電力業界の職員については全員が導入に参加することを目指しており、現在すでに各支店で取り組みが広がっています」
こうした動きはタインホア省にとどまらず、各地でも導入が進んでいます。設備費用は5年前と比べておよそ40%から50%程度まで低下し、技術面でも改善が進んでいます。
エネルギー専門家のハ・ダン・ソン氏は、利点と課題の双方を指摘します。
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「太陽光発電はクリーンで設置が容易であり、投資回収も比較的早いという利点があります。また、発電のピークが暑い時間帯と重なるため、冷房需要の増加時に供給の負担を軽減できます。一方で、天候に左右されるため安定した電源とは言えず、大規模に導入する場合には適切な制御が必要です。蓄電システムを組み合わせることで、需給のバランスを調整しやすくなります。」
政府は、エネルギーの効率的な利用を進める中で、再生可能エネルギーへの転換と屋根置き型太陽光の普及を重要な柱と位置づけています。
商工省電力局の副局長、チャン・ホアイ・チャン氏は、電力計画の目標について説明しました。
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「2030年までに、公的施設と一般住宅のそれぞれ50%で屋根置き型太陽光の自家消費を実現する目標が掲げられています。今後は制度面の整備に加え、電力系統の運用ルールの見直しも進め、安定的な活用につなげていく必要があります。また、蓄電設備の導入についても検討を進めています。」
試算では、2030年までにおよそ1400万世帯が発電に参加し、1世帯あたり平均3キロワット規模の設備を設置した場合、全体の発電能力の約12%を占める可能性があるとされています。
発電した電力をその場で使える分散型の電源として、送電の負担を増やさない点も特徴で、短期・中期的な電力不足のリスクを抑える役割が期待されています。
屋根置き型太陽光の普及は、エネルギーの安定確保と持続可能な成長の両立に向けて、重要な役割を担うとみられています。