(鐘の音、テンの音)

神聖な空間の中で、優秀民俗芸能家ホアン・ティ・ヴィエン氏がテンの主師として儀礼を執り行います。ソック・ニャックと呼ばれる鈴楽器を手に、祖先・神々を招くかのような心のこもったテンの言葉を紡ぎます。鐘の音が響き渡ると儀礼が正式に始まり、テンを学ぶ者「コン・チャン」にとって重要な転機を告げます。ヴィエン師匠は次のように語ります。

録音V6

「師匠として弟子を取る際には、運命や相性が合う者を選ばなければなりません。コン・チャンがラウ・ソン・チャンの儀礼を行い、師匠を招いて執り行います。準備には一週間かかることもあります。吉日を選んでテンの師匠を招き、儀礼を執り行います。」

儀礼の山場は「軍団の出発」と呼ばれる場面です。師匠が多くのテン実践者を率いて先頭に立ち、歌いながら新しいコン・チャンを想像上の宮殿や関所へと導きます。テンの歌と儀礼の中で「海辺に着く」と、「舟漕ぎ」の儀式が始まり、柔らかなテンの歌声と節回しが一行を波の向こうへと運ぶ舟漕ぎのリズムとなります。一行はさらに月と星・日差しと風の関所を越え、九層の雲を抜けていきます。これらはすべて歌と儀礼の中で繰り広げられる霊的・象徴的な旅であり、各行程はコン・チャンにとっての試練と修行の道における一歩前進を意味します。ホアン・ティ・ランさんはテンの修行の段階について次のように説明します。

録音

「ラウ・ソン・チャンは最初の儀式で、歌と儀礼を通じてコン・チャンに関所を越え、天に上り、海に下る方法を教えます。第二段階では道を開き、歌の一節・節回しを一つずつ教えます。第三段階は最高位の大儀礼、十二の階梯が最高位です。さらに3年後に慰労の儀礼を行い、それが終わって初めて実践の道に進む許可が与えられます。」

(師匠とコン・チャンの呼び合い)

神々の証しのもとで師弟関係が確立されると、師匠はコン・チャンに琴「ティン」や鈴楽器「ソック・ニャック」、扇、帽子、衣装などの道具を授けます。中でも「琴」ティンは神々と通じるテンの言葉を紡ぐ特別な楽器です。これらの道具には、先人から次世代へ、テンの灯を永遠に燃やし続けてほしいという想いが込められています。

儀礼では祈祷師も重要な役割を担います。チャン・ヴァン・ホアンさんは次のように語ります。

録音

「祈祷師が家を守る呪術を施し、外の悪霊が入ってこないようにします。そのおかげで、師匠がコン・チャンを天上・海の底へと導き、水中の竜神・天の玉皇上帝へと挨拶回りをして、新しいコン・チャンを受け入れたことを神々にお知らせします。」

ラウ・ソン・チャンの儀礼は、高くそびえるサトウキビを持った踊りで締めくくられます。学び手の成長と向上を象徴するこの踊りとともに儀礼の幕が閉じると、優れたテンの師匠となるための長い修行の旅が始まります。師匠の教えを胸に、コン・チャンはテンの継承者として歩みを進めます。テンの音は響き続け、テイ族の人々の豊かな文化的アイデンティティを今に伝えています。