(授業の音声)V5 06/04 - 12/04 SMDT TDHT

クメール族の人々が多く暮らすアンザン省の寺院では、クメール語のほか、南伝仏教の典礼言語であるパーリ語、そして古代インドの宗教言語サンスクリット語も教えられています。正規の学校ではありませんが、多くの寺院が教育訓練省のカリキュラムに沿って授業を行っています。寺院側が保護者に積極的に働きかけ、子どもたちの通学を促しているのです。

アンザン省チートン村にあるソアイソー寺の住職、チャウ・ティー長老は次のように語ります。

(録音:チャウ・ティー長老の言葉)

「クメール族の子どもたちへの指導は、ほとんどが夏休みの期間に行っています。毎年どの寺院でも授業を開いており、約2か月から2か月半の間、母語の話し言葉と文字を教えています。」

寺院での学びは、若い世代が民族の言語に触れる機会であるとともに、寺院・学校・家庭が連携して次世代を育てる場にもなっています。困難を抱えながらも、僧侶たちは民族文化を守りたいという思いから指導を続けています。アンザン省チーラン地区にあるミーア寺の住職、チャウ・カット長老は次のように述べています。

(録音:チャウ・カット長老の言葉)

「寺院に入れば修行しながら学ぶことができ、パーリ語も習えます。毎年1〜2クラスを開いており、地域の人々が応援してくれるので、私たちも大変励みになっています。」

寺院に通う子どもたちは、クメール語の読み書きや文法、パーリ語を学ぶほか、民族の慣習・礼儀・伝統文化も教わります。アンザン省オーラム村のチャウ・ネー・ソム・ナットくんは次のように話します。

(録音:チャウ・ネー・ソム・ナットさんの言葉)

「夏になると友達と一緒に寺院へ来て、クメール文字を学びます。僧侶が無料で教えてくれて、学習の終わりには成績優秀者に表彰もあります。社会での振る舞いや仏教の教え、伝統音楽や太鼓なども教わります。クメール文字や民族の信仰を知ることができるので、とても意義を感じています。」

地方当局も寺院の取り組みを支えています。教育機関から教師が派遣される場合もあり、教室がない寺院には村の文化会館が提供されます。アンザン省オーラム村人民委員会のネアン・サム・ボー副委員長は次のように述べています。

(録音:ネアン・サム・ボー副委員長の言葉)

「オーラム村の15か所の寺院のうち、14か所で毎年夏休みにクメール文字の授業を行っています。地域の人々は民族の文字と言語を守るために子どもたちを通わせています。2025年には国から授業担当者への補助金が出ており、オーラム村だけで約4億ドン、日本円にしておよそ235万円が支援されています。」

寺院・家庭・行政が三位一体となって守り続けるこの取り組み。アンザン省のクメール族の子どもたちは今日も、先祖から受け継いだ文字を書きながら、自らのルーツを学んでいます。