こうした歴史を後世に伝えようと、8月革命や9月2日の独立記念日に関する資料を収集・保存する人たちがいます。
北部ニンビン省のナムディン地区に住むグエン・フィ・ズンさんは、40万部あまりの新聞を収集し、このうち独立記念日に関するものは200部以上に上ります。なかでも、1945年9月4日と7日に発行された「独立」紙の創刊号と第2号は、ベトナム独立直後の歴史を伝える貴重な資料だということです。グエン・フィ・ズンさんは、次のように語りました。
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「『独立新聞』第1号と第2号は、いずれもベトナムの独立記念日の式典について報じています。これらの新聞によりますと、午前11時から市内外の人々がバーディン広場に集まり、約50万人が式典に参加しました。また、午後2時から国旗掲揚が始まったことも明記されています。これは、現在ではあまり知られていない歴史的な事実です」

グエン・フィ・ズンさんは、1945年から現在まで発行された独立記念日に関する新聞を、ほぼすべて収集・保存しています。ズンさんが最も美しい紙面だと評価するのは、1975年9月2日付のベトナム共産党機関紙『ニャンザン』です。当時は印刷技術がまだ発達していませんでしたが、紙面には、ホー・チ・ミン主席やベトナム国旗、集会に参加する人々の活気ある様子を描いた絵が掲載されています。
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「新聞は色彩豊かに構成され、当日の壮大な軍事パレードや行進の様子を伝える写真が数多く掲載されています。さらに、国の統一を祝う人々の喜びに満ちた様子も伝えています」

新聞だけでなく、収集家のグエン・フィ・ズンさんは、独立記念日に発行された切手も数多く保存しています。なかでも、1946年に独立1周年を記念してベトナム郵便が発行した、ホー・チ・ミン主席の肖像を描いた5色刷りの切手セットは、貴重な資料の一つです。
資料を守るため、展示室にはエアコンや除湿機を設置しています。特に希少な新聞は1点ずつ保護したうえで丸め、ガラスケースの中で大切に保管しています。ズンさんは、次のように語りました。
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「戦争や長年の風雨にさらされ、これらの新聞は大きく傷んでいます。だからこそ、より貴重なものだと感じています。今こうして、これらの新聞を手元に置くことができたのは、本当に幸運であり、何かの縁があったのだと思います。また、こうした新聞を通して当時の歴史的な出来事をたどると、現在では多くの人が知らないような細かな事実まで知ることができます。そうした一つ一つの記録に、当時の革命の息吹が色濃く残されています」
民間の収集家だけでなく、ニンビン省博物館にも独立記念日に関する紙の資料が200点以上保存されています。資料の点検や管理には厳格な手順が定められています。資料を取り出す際には、平らな作業台に柔らかいシートと脱酸紙を敷き、菌の繁殖を防ぎます。また、担当者は専用の作業着を着て、マスクと手袋を着用し、汗による資料の劣化を防いでいます。
保存技術室では、紙製資料を平らにするほか、ほこりを取り除いたり、低温に設定したアイロンを使って折れやしわを整えたりするなど、いくつもの工程を経て保存処理が行われます。いずれの作業にも、細心の注意と高い技術が求められます。

ニンビン省博物館で文化財保存技術班の班長を務めるグエン・マン・テさんは、次のように話しています。
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「破れた紙資料については、紙を裏打ちして補修する方法を用いています。一方、文字が薄れたり消えたり、図柄が欠けたりした資料については、職人や画家と協力し、失われた部分を復元しています。こうした方法によって、ニンビン省博物館では、独立記念日やホー・チ・ミン主席に関する数多くの紙資料の保存に成功しています」
年月を経て黄ばんだ新聞の文字や写真は、歴史の記憶を後世に伝える役割を果たしています。八月革命や9月2日の独立記念日の記憶を、後の世代にも生き生きと、誇りとともに受け継いでいくためです。