最新のシナリオでは、今年後半の6か月間のGDP成長率をおよそ11.9%まで引き上げる必要があるとしており、これはここ数年の通常の経済成長率を大きく上回る水準です。
今年前半の6か月間の経済は堅調な成長を維持しましたが、残る期間で活用できる政策余地は限られています。そのため、高い目標を掲げるだけでなく、それを確実な成果へと結び付けるため、実効性の高い政策運営が重要となります。
徹底した指導と実行力の強化
まず重要となるのは、政策運営の実効性を高めるとともに、各省庁や地方行政府における実施責任を一層強化することです。財政政策や金融政策の余地が限られる中では、政策運営の質と施策の実行スピードが、高成長目標を達成できるかどうかを左右します。
政府は引き続き、公共投資を経済成長の「けん引役」と位置付け、重要な成長エンジンの一つとしています。今回の成長目標では、中央政府だけの課題ではなく、各地方政府ごとに具体的な数値目標が設定されたことも大きな特徴です。
6月27日にハノイで開かれた、国家重点プロジェクトに関する国家指導委員会の2026年前半の総括会議で、レ・ミン・フン首相は次のように述べました。
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「各地方行政府は、今後の重点課題、とりわけ今年後半の6か月間の取り組みを断固として進めなければなりません。各省庁、特に地方の指導者には、これを今年後半の最優先課題の一つとして位置付け、それぞれの地域の成長に貢献していただきたいと思います。公共投資は各地方が活用できる極めて重要な資源であり、今後も力強く推進していく必要があります」
公共投資に加え、ベトナムは輸出や国内消費といった従来の成長エンジンにも大きな期待を寄せています。世界の貿易環境が変化する中、市場の多様化と企業の競争力強化が重要な課題となっています。
6月末に開かれた商工省に対する業務指示会議で、ファム・ザー・トゥック副首相が次のように述べました。
(テープ)
「国際および地域経済への統合の進展に合わせ、税制や税還付制度、税関制度を引き続き点検、改善し、輸出の拡大と国内生産の発展を後押しする必要があります。また、税関手続きのデジタル化や行政手続きの改革を加速させるとともに、税関当局が関係機関と連携し、通関時の商品品質管理を強化し、知的財産権の侵害や原産地偽装などの不正行為を防止することも重要です」
輸出に加え、国内消費も引き続き経済成長を支える重要な柱と位置付けられています。消費喚起策や電子商取引の促進、観光振興、国内市場の拡大は、企業の生産活動を支えるだけでなく、雇用の創出にもつながり、経済成長を直接後押しすることが期待されています。
高い成長目標とその実現に向けた課題
年末までの6か月は、経済発展目標の達成を左右する重要な時期となります。政策余地を最大限に活用し、改革を加速させ、あらゆる資源を有効に引き出すとともに、従来の成長エンジンと新たな成長要因を十分に生かすことができれば、経済はさらなる飛躍への基盤を築くことができます。
多くの国際機関や海外の専門家は、ベトナムには中長期的に高い成長を維持するための優位性が依然としてあると評価しています。
投資会社ヴィナキャピタルのチーフエコノミストであるマイケル・コカラリ氏は国際社会が注目しているのは、ベトナムが11.9%の成長率を達成できるかどうかだけではなく、その目標をどのように実現していくのかという点だと指摘しています。それが投資家の信頼をさらに高め、改革を積極的に進め、持続可能な成長をパートナーとともに築いていくベトナムの姿勢を国際社会に示すことにつながるとしています。
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「2026年のGDP成長率10%という目標についてですが、ベトナム政府はインフラ投資への支出を40%増やしており、これは非常に前向きな取り組みです。こうした予算は実際のインフラ事業に充てられています。また、今年のGDP成長を支えるもう一つの要因は、ベトナムが世界でも数少ない、非常に良好な人口動態を維持している国の一つであり、今後10年間も人口ボーナス期が続くことです。これらの要素が、今後10年間、ベトナムの発展を力強く後押しするでしょう」
今年後半の6か月間で 11.9%の成長を実現することは、世界経済の先行きが不透明な中で大きな挑戦となります。しかし、それは政府の政策運営能力と改革の実効性が問われる試金石でもあります。目標が高いからこそ、より迅速で一体的な取り組みが求められます。
