今回の訪問は、新たな発展段階にあるベトナムの主体的かつ積極的な外交姿勢を示すもので、欧州のパートナーとの関係を一段と高め、協力をより実質的で効果的なものにする機会となります。
ベトナム共産党書記長によるデンマークへの国賓訪問は今回が初めてで、トー・ラム書記長・国家主席にとっても、EUとベルギーへの初の公式訪問となります。今回の訪問は、政治的な信頼関係を深めるだけでなく、それぞれの強みとベトナムの発展のニーズを踏まえ、貿易、投資、科学技術、イノベーション、グリーン成長などの分野で、協力の優先課題を定める機会にもなります。
強みを生かし、協力の可能性を広げる
デンマークとの関係では、再生可能エネルギー、循環型経済、グリーン成長などの分野で協力の大きな可能性があります。これらの分野は、ベトナムが目指す成長モデルの転換にも合致しています。
2026年1月から8月までの両国間の貿易額は前年同期比で38%近く増加しました。これは、協力拡大の余地が大きいことを示しており、両国がビジネスや投資の機会をさらに生かし、企業間の連携を進めるうえでの基盤となっています。
一方、ベルギーはAI=人工知能、半導体製造、港湾、物流などの分野に強みを持っています。これらは、ベトナムが技術力や経済の競争力を高めるうえで重視している分野でもあります。ベトナムの駐ベルギー大使兼駐EU代表部長のグエン・フオン・チャー氏は、次のように述べました。
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「ベルギーは、デジタルトランスフォーメーション、人工知能、半導体製造などの分野に強みがあります。こうした分野でベトナムの産業発展を支援し、世界のサプライチェーンや生産ネットワークに、ベトナムがより深く参画できるよう後押しすることができます。また、ベルギーは港湾や戦略的インフラの整備、グリーン物流、スマート物流の発展についても、豊富な経験を持っています」
特にEUとの関係では、今年1月に「包括的な戦略的パートナーシップ」に格上げされたことで、協力拡大に向けた新たな政治的基盤が整いました。EVFTA =EU・ベトナム自由貿易協定は引き続き、貿易や投資、企業間の連携を促す重要な原動力となっています。駐ベトナムEU代表部のジュリアン・ゲリエ大使は、双方の関係における貿易と投資の重要性について、次のように強調しました。
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「この35年間、EUとベトナムの関係は一貫して着実に発展してきました。今では、あらゆる分野に協力が広がり、幅広く深い関係を築いています。協力の大きな柱として、まず挙げられるのが貿易と投資です。 EUとベトナムの自由貿易協定は6年前に発効し、これによって、この5年間で双方の貿易額は40%増加しました。欧州はベトナムの主要な輸出市場の一つとなっています。また、私たちは、G7やその他の支援国とベトナムによる『公正なエネルギー移行パートナーシップ』の枠組みでも、緊密に協力しています」
約束を具体的な成果につなげる
しかし、新たな発展段階においては、貿易の拡大とともに、成長の質を高めることも重要です。双方の発展目標の達成に向け、政治的な約束を具体的な成果につなげることが、今回の訪問でトー・ラム書記長・国家主席とEUの指導者らが協議する重要な議題となる見通しです。グエン・フオン・チャー大使は、次のように強調しました。
(テープ)
「科学技術、イノベーション、デジタルトランスフォーメーションは、今後もベトナムとEUの関係における最優先課題の一つになります。これは首脳レベルの約束にとどまるものではなく、今回の訪問を通じて具体的なプロジェクトや取り組みにつなげていきます。また、EUが強みを持つ高度人材の育成、教育・訓練、戦略的インフラの整備なども、双方が今後さらに幅広く協力を深められる分野だと考えています」
ベトナムにとって、欧州のパートナーとの協力は、市場や資金源、技術の多様化につながるだけでなく、自立する力を高め、発展の新たな原動力にもなります。
トー・ラム書記長・国家主席によるデンマーク、EU、ベルギーへの今回の訪問は、ベトナムと欧州の関係に新たな弾みをつける機会となります。双方の強みを生かし、共通のビジョンを実際の発展のニーズに結びつけることで、協力をさらに幅広く、効果的で持続可能なものへと発展させ、ベトナムの新たな発展段階における国家発展目標の達成に貢献することが期待されます。
