ベトナムの書記長・国家主席によるインド公式訪問は今回が初めてです。さらに、両国が包括的な戦略的パートナーシップの樹立から10年を迎える節目の年にあたります。
今回の訪問は、これまでの10年にわたる二国間関係を振り返るとともに、今後の協力の方向性を示す機会ともなります。
政治基盤の強化
ベトナムとインドの関係は、ホー・チ・ミン主席とジャワハルラール・ネルー首相によって築かれ、文化や歴史の共通性、独立闘争における連帯を基盤として発展してきました。1972年の外交関係樹立以降、両国関係は着実に強化され、2016年には包括的な戦略的パートナーシップへと格上げされました。
この10年で関係はさらに深化し、地域においても活発で実質的な協力枠組みの一つとなっています。
インド駐在ベトナムのグエン・タイン・ハイ大使は次のように述べています。
(テープ)
「両国の政治分野での協力は着実に強化され、信頼関係も深まっています。首脳の往来や国際会議の場での接触も頻繁に行われており、二国間関係に対する強い政治的な意思が示されています。また、20以上の協力枠組みが機能し、さまざまな重要合意も締結・実施されています」
こうした政治関係を基盤に、経済や貿易の分野でも協力は拡大しています。昨年の二国間の貿易額は164億6千万ドルと過去最高を記録し、前年に比べて10.5%増加しました。2016年と比べるとおよそ2.5倍となっています。インドは現在、ベトナムにとって主要な貿易相手国の一つとなっています。
さらに、科学技術やイノベーション、デジタル分野、エネルギー、教育などの分野でも協力が進められています。
防衛分野や人的交流、文化、観光なども協力の重要な柱となっており、この10年で築かれた基盤が今後の関係発展を後押しするとみられています。

グエン・タイン・ハイ大使はまた、次のように述べています。
(テープ)
「インドの台頭とベトナムの急速な発展に加え、両国が多くの地域と国際課題について共通の見方を持っていることが、協力拡大の機会を生み出しています。既存の協力分野を強化するだけでなく、新たな分野での連携も進めていく必要があります」
発展目標に向けた原動力
ベトナムが2045年までに先進国入りを目指し、インドが2047年までに先進国となる目標を掲げる中、両国関係のさらなる強化が重要とされています。
今回の訪問は、新たな段階に向けた協力の足がかりとなると期待されています。世界経済の不確実性や地域秩序の変化が続く中で、今回の訪問による相乗効果が、機会の活用と課題への対応を後押しする可能性があります。
グエン・タイン・ハイ大使はさらに次のように述べています。
(テープ)
「両国が力強く発展を続け、国際情勢が大きく変化する中で、今回の訪問は今後の協力の方向性を示す重要な機会です。首脳間や与党間の関係を一層強化するとともに、省庁や地方、企業間の連携を深めることにもつながります。特に、テクノロジー企業やスタートアップ企業、イノベーション拠点などの連携強化が期待されます」
今回の訪問を通じて、新たな協力の可能性が広がり、両国関係がさらに高い段階へと発展するとともに、それぞれの発展目標の実現にも寄与するとみられています。