これにより、スイス、ノルウェー、アイスランド、リヒテンシュタインなどの欧州市場との水産物の双方向貿易の拡大が期待されます。また、ベトナム企業にとっては、EFTA加盟国から原材料の調達先を広げ、技術パートナーとの連携を進める新たな機会にもなります。
ベトナムの水産業は、質の高い製品を強みに、世界の水産物輸出国の上位3か国に入っています。このため、ベトナムと欧州自由貿易連合(EFTA)との自由貿易協定(FTA)は、ベトナムの水産業に新たなビジネスチャンスをもたらすものと期待されています。スイスはベトナム企業が特に注目する市場の一つです。ベトナム産の環境に配慮した養殖エビは、すでにスイス市場で一定の地位を確立しています。
一方、ノルウェーとアイスランドは水産業が発達しており、質の高い原材料に加え、漁獲や加工に関する先進的な技術を有しています。VASEP=ベトナム水産物加工輸出協会のレ・ハン副事務局長兼広報部長は、次のように述べています。
(テープ)
「水産物の加工・輸出産業にとって、原材料の調達先を拡大・多様化する機会と捉える必要があります。VEFTAの優遇措置を十分に活用すれば、ベトナム企業はノルウェーとアイスランドからの原材料の輸入を拡大し、ベトナム国内で加工したうえで、第三国市場に輸出することができます。これは、双方に利益をもたらす協力の形です。ノルウェーとアイスランドの企業にとっては原材料の販売先と加工パートナーが広がり、ベトナムにとっては質が高く、安定した多様な原材料を確保し、生産の拡大につなげることができます」
主要輸出市場で技術的障壁や関税・非関税障壁が設けられ、政策の変動も相まって輸出環境が厳しさを増す中、ベトナムの水産業にとって、VEFTAは新たなビジネスチャンスとなります。VASEPによりますと、企業は各市場の特性に応じて、特色ある製品を軸とした市場開拓戦略を策定し、価格競争だけに重点を置かないことが重要です。これは、輸出の付加価値を高めるだけでなく、水産業の持続可能な発展目標に沿った、責任ある養殖モデルの推進にも寄与します。
VASEPのレ・ハン副事務局長兼広報部長は、さらに次のように述べています。
(テープ)
「ベトナムは、協力の機会を活用し、先進的な技術や設備、管理手法の導入を進める必要があります。具体的には、混獲を減らすための選択的な漁法、漁船上での冷蔵・保管技術、電子的なトレーサビリティーシステム、燃料消費の削減や生産性の向上、水揚げ後の損失削減につながる設備などです。さらに重要なのは、漁獲量の拡大を目指す考え方から転換し、漁業資源から得られる経済価値を高めることです」
今後、VASEPは、企業間交流プログラムや貿易促進活動、水産物見本市、双方の関係者が参加するフォーラムなどを通じて、ノルウェーとアイスランドの水産原料供給企業とベトナム企業との連携を強化するとともに、ベトナム企業と欧州各国の技術関連機関との連携も促進していく方針です。ベトナムは、食品安全基準や要求事項を満たす製品を販売するだけでなく、生産工程全体の品質と持続可能性を証明していく必要があります。
