政治局結論第51号を公布
結論では、知的財産を持続可能な発展や国際競争力の向上を支える重要な要素と位置付けるとともに、戦略的自立性の強化や国際競争力の向上につながるほか、国家の安全保障や国際的な地位の向上にも寄与するとしています。
AI時代における戦略的自立性の強化
AI=人工知能時代を迎える中、独自技術や知的財産を保護する体制が十分でない国は、海外技術への依存が続き、地政学的な変化の影響を受けやすくなると指摘されています。
こうした中、結論第51号は、知的財産を戦略的自立性の確保と結び付け、ビッグデータや営業秘密、国内の発明成果を保護するための重要な基盤として位置付けています。
また、ベトナムのような開放度の高い経済が国際経済との結びつきを深める上でも、知的財産制度の整備は欠かせないとしています。
CPTPP=環太平洋パートナーシップに関する包括的および先進的協定や、EVFTA=ベトナム・EU自由貿易協定などへの参加が進む中、ベトナム製品の国際展開や質の高い外国直接投資の誘致には、国際基準に沿った知的財産保護制度の整備が求められています。
さらに結論では、知的財産を単なる行政管理の対象ではなく、企業の資金調達や共同事業への出資などに活用できる重要な経済資産として位置付けています。その上で、技術市場の発展を促し、研究成果の実用化や事業化を後押しする方針を示しています。
知的財産権侵害への取り締まり強化
政治局は、法制度の早急な見直しとともに、関係機関が連携した取り締まりの強化を求めています。著作権侵害やインターネット上での知的財産権侵害への対応を強化し、社会全体で知的創造活動を尊重する環境づくりを進める考えです。実際に、ベトナムではこの数か月、各省庁や地方当局による取り締まりが強化されています。
公安省のグエン・クオック・トアン報道官は、知的財産権侵害への対応強化に向けた法整備を進めているとしたうえで、次のように述べました。
(テープ)
「この1か月間で194のウェブサイトへのアクセス遮断措置を実施しました。このうち、映画配信サイトが8件、産業財産権を侵害する販売サイトが27件、知的財産権を侵害するサッカーの違法配信サイトが159件でした。また、全国の公安当局は、著作権侵害や産業財産権侵害、偽造品の製造・販売に関する事件56件を立件し、98人を摘発しました」
また、商工省のグエン・ホアン・ロン次官は次のように述べました。
(テープ)
「デジタル技術の活用を中核とし、データベースの連携や電子商取引プラットフォームの責任強化を進めます。また、AIを活用した自動監視システムの試験導入を検討し、オンライン上での偽造品販売の早期発見につなげたいと考えています」
政治局の結論第51号は、知的財産を科学技術分野にとどまらず、新たな成長モデルや経済の自立性向上を支える重要な要素として位置付けています。
ベトナム政府は、デジタル時代の競争力強化に向け、知的財産保護の取り組みをさらに強化していく方針です。
