フィリピンのパグビラオ(Pagbilao)発電所=asia.nikkei.com |
ASEAN諸国の排出量を「見える化」し、日本企業のサプライチェーン(供給網)全体の排出量も把握しやすくして「ESG(環境・社会・企業統治)投資」を呼び込む狙いがあります。
今月末からイギリス・グラスゴーで開催されるCOP26=国連気候変動枠組み条約第26回締約国会議で骨子案を公表し、2022年夏ごろの策定を目指します。
日本国全体の排出量は、国連の気候変動に関する政府間パネル(IPCC)のガイドラインに基づいて、各国が化石燃料などの消費量などを使って算出します。さらに日本では、地球温暖化対策推進法(温対法)に基づき、一定以上のエネルギーを使用する事業者などに毎年排出量を算定し、国に報告することを義務付けています。報告しなかった場合には罰則もあります。
一方、ASEAN諸国では国全体の排出量は算定していますが、事業者ごとの算定・報告制度はほとんどないということです。策定するガイドラインは先行する日本の制度を基にし、温室効果ガスの算定方法に加え、国への報告手続きの例なども盛り込みます。
環境や社会問題への取り組みを重視するESG投資が世界中で拡大する中、ガイドラインによってASEAN諸国の企業だけでなく、日本企業のサプライチェーン全体でも排出量などESG情報の開示が進むと期待されます。
日本環境省幹部は「企業の脱炭素化への取り組みが取引先や投資先を決める上で重要な手がかりとなる時代になっている。日本の経験を生かして途上国の企業の排出量情報を見える化し、世界の脱炭素化をリードしていきたい」と話します。(毎日新聞)

