野党民主党は違憲を主張し、議会で反対決議を提出するなど徹底抗戦の構えです。市民団体は差し止めを求めて連邦地裁に提訴し法廷闘争の動きも相次ぐなど、早くも強硬手段への反発が広がっています。

トランプ氏はホワイトハウスでの記者会見で「南部国境の安全保障上の危機に立ち向かう」と述べ、不法移民や違法薬物の流入を阻止するため、壁建設の必要性を強調しました。議会への予算計上を拒否された政策を強行する形だが、非常事態宣言への署名は権力の乱用との批判を意識して、「他の大統領が何度も署名してきた。大統領に与えられた権力だ」と主張しました。

宣言によって、当初要求していた五十七億ドル(約六千三百億円)を上回る計約八十一億ドル(約八千九百億円)を捻出して建設を推進する方針です。ホワイトハウスによりますと、予算確保のため、国防総省の施設建設費三十六億ドルや薬物対策費二十五億ドルなどを転用するとしています。民主党は「存在しない危機への違法な宣言」と非難し、下院司法委員会で公聴会を開いて法的な問題点をあぶり出す方針です。

市民団体「パブリック・シチズン」と南部テキサス州の壁建設予定地の地権者らは、宣言が大統領の権限を逸脱しているとし、予算転用の差し止めを求める訴訟を首都ワシントンの連邦地裁に起こしました。民主党が地盤とする東部ニューヨーク州や西部カリフォルニア州でも州知事らが裁判で争う意向を表明しました。人権団体の全米市民自由連合(ACLU)も近く提訴します。

トランプ氏は「われわれは訴えられ、(下級審では)悪い判決を受けるだろうが、最高裁で勝つ」と発言しました。保守派が多数を占める最高裁での法廷闘争に自信を見せますが、壁建設を巡る対立は深まる一方です。(読売)