第97回アカデミー賞授賞式が2日、カリフォルニア州ハリウッドで開催され、ロシア人オリガルヒの息子と結婚するストリッパーを描いた 「ANORA アノーラ」 が作品賞を含む5部門を受賞しました。
ハリウッド大作と比べ低予算の約600万ドルで製作された本作は、主演女優賞(マイキー・マディソン)、監督賞(ショーン・ベイカー)、編集賞、脚本賞 も獲得しました。最後に発表された作品賞では 「ブルータリスト」 や 「教皇選挙」、「ウィキッド ふたりの魔女」などとの競争を制しました。
独立系の配給作品である「アノーラ」の興行収入は約4000万ドルで、「ウィキッド」の7億2800万ドルには及ばないものの、高い評価を受けました。
ベイカー監督 は受賞スピーチで「インディーズ映画を作ろうとしているなら、ぜひ続けてほしい。もっと必要で、これがその証拠だ」と若手クリエイターに呼びかけました。
主演女優賞 の最有力とされた「サブスタンス」のデミ・ムーアを破る番狂わせを見せた マディソン は、「ハリウッドは遠い存在で、壇上にいることが信じられない」と喜びを表現しました。さらに、作品で演じたセックスワーカーについて「コミュニティーに感謝し、敬意を表したい」と語りました。
主演男優賞 は、ホロコーストを生き延びたユダヤ人建築家の人生を描いた「ブルータリスト」の エイドリアン・ブロディ が受賞しました。2002年の「戦場のピアニスト」に続き2度目のオスカー獲得となりましたが、「俳優業は非常にもろい職業です。どんなに成功しても、全てが消え去る可能性がある」と自身のキャリアを振り返りました。
助演男優賞 は「リアル・ペイン─心の旅─」の キーラン・カルキン、助演女優賞 は「エミリア・ペレス」の ゾーイ・サルダナ が受賞しました。
その他の主要部門では、長編ドキュメンタリー賞 に 「ノー・アザー・ランド 故郷は他にない」(パレスチナとイスラエルの青年の友情を記録)、長編アニメーション賞 では 「Flow」(ラトビア作品として初の受賞)が選ばれました。
日本関連作品 では、短編アニメーション賞に「あめだま」(西尾大介監督)、長編ドキュメンタリー賞に「Black Box Diaries」(伊藤詩織監督)、短編ドキュメンタリー賞に「Instruments of a Beating Heart 心はずむ楽器たち」(山崎エマ監督) がノミネートされましたが、受賞には至りませんでした。(ロイター)