イランの首都テヘラン=Alamy.



(時事)欧州連合(EU)のモゲリーニ外交安全保障上級代表(外相)は16日、ウィーンの国際原子力機関(IAEA)本部内で、イランのザリフ外相と共同記者会見し、欧米などによる対イラン経済制裁の解除を発表しました。イランが欧米との核合意に基づき、核開発の制限を完全履行したことを受けた措置です。イランの国際社会復帰に弾みがつくということです。

原油と天然ガスが豊富なイランには西側諸国の関心が高く、ドイツなど欧州各国の閣僚がイランを訪れ、関係強化に動いてきました。制裁解除を受けて人口8000万人の市場への日本企業の参入も本格化する見通しです。
一方、イランとサウジアラビアを中心とするアラブ諸国の関係がこのところ悪化しており、イランの存在感が高まれば、中東情勢が一層緊張する恐れがあります。
モゲリーニ氏は「政治的意志があれば、極めて困難な課題も解決できることを明確に示した」と強調しました。ケリー米国務長官もこの後、記者会見し、「イラン核武装の恐れがなくなれば、国際社会はシリア危機を含む(中東)地域の他の問題に(一層)取り組むことができる」と述べました。
欧米など6カ国とイランは昨年7月、イラン核問題の解決に向けた措置で最終合意しました。イランは合意に沿って、ウラン濃縮に使う遠心分離機の大幅削減や、保有する低濃縮ウランのロシアへの搬出を進めてきました。IAEAは16日、イランの義務履行を確認しました。