(写真:ロイター)

一方で離脱後に控えるFTA=自由貿易協定など対英交渉への準備を加速しました。欧州委員会が週明けに交渉方針案を示し加盟国の承認を求める方向です。

「全てを再構築しなければならない。交渉は巨大なチャレンジだ。時間が押し迫っている」。EUのバルニエ首席交渉官は27日の講演で、難交渉を強調しました。
欧州委と加盟国は今月半ばから実務会合を重ね、FTAや漁業権、交通、エネルギー、外交、防衛など分野ごとの戦略すり合わせを進めています。
ただ、加盟国による交渉方針承認は2月25日の予定です。正式な交渉入りは3月初めごろになる見通しです。一方、英国がEUに事実上残留する年末までの「移行期間」内の合意を逃せば、経済、社会の混乱を招きかねず、交渉時間は極端に短いです。
英側が延長を求めない姿勢を見せる中、「崖っぷち」(バルニエ氏)を避けるため、まず物品貿易などに重点を置く骨格での合意を優先することになりそうです。
物品貿易では、英政権が望む関税ゼロ、輸入割り当てゼロが目標となります。EU側は英国が過度な規制緩和で不当に競争力を高める事態を警戒しました。「公平な競争条件」を確保するため、国家補助金や競争法、労働や環境基準、税制などでのEUルールへの歩み寄りを条件とする構えです。
しかし、ジャビド英財務相が英紙で「(EUに)そろえることはない」と明言するなど、英側との思惑の違いは明白です。EUは20日の実務会合で、一方が合意義務を怠れば金銭補償や合意停止の措置を取れる仕組み導入を打ち出すなど、脅しの構えも見せます。
交渉では漁業権も大きな焦点となります。EUは英領海での権利維持を求めますが、英側の反発は必至でEUがもくろむ7月1日までの決着は不透明です。