EU=欧州連合は、アメリカとの貿易戦争の可能性を警戒しつつも、交渉によって受け入れ可能な結果を得られるとの見方を強めています。これは、アメリカのトランプ大統領が今週、メキシコとカナダからの輸入品に対する関税発動を延期する決定を下したことを受けたものです。
トランプ大統領は今週、EUに対して新たな関税を「間違いなく」課す方針を示し、対EUの貿易赤字の大きさをその理由に挙げました。一方、EUの通商問題を担当する欧州委員会は、アメリカが関税賦課の警告を実行に移した場合に備え、幅広い報復措置のリストを用意していると報じられています。
ただ、メキシコやカナダに対するトランプ大統領の方針転換を踏まえ、欧州委員会はアメリカの関税措置に対して過度に対立するのではなく、アメリカ政権との対話の可能性を模索する戦略を進める方針です。しかし、この戦略には、EUが発足間もないアメリカ政権との関係をまだ十分に構築できていないという課題もあります。貿易政策に関するアメリカ新政権の主要ポストの多くは、現在も上院の承認待ちの状態にあります。
EUはまた、アメリカとの鉄鋼・アルミニウム輸出をめぐる対立を回避したい考えです。アメリカは2018年、国家安全保障上の懸念を理由に、欧州からの鉄鋼・アルミニウム輸入品、約70億ドル相当に追加関税を課しました。これに対しEUは、アメリカ製品約30億ドル相当に報復関税を課したものの、この措置を2025年3月末まで一時停止しています。
関係者によりますと、この期限を迎えた場合、措置が復活する予定ですが、EUはアメリカ政権を刺激しないよう、関税停止措置を延長し、前向きな姿勢を維持する可能性が高いとみられます。(ブルームバーグ)
