ロシアのウクライナ侵攻を受け、多くのウクライナ難民が中・東欧諸国に流入している=PAP/TTXVN

EU=欧州連合の行政執行機関にあたる欧州委員会は2日、ロシアの侵攻から逃れたウクライナ人に対し、EU域内に2年間の滞在を認める「一時保護措置」を初めて導入する提案を発表しました。ウクライナからの難民は雇用や医療、教育などの支援を迅速に受けられるようになります。また、国境管理の手続きを簡素化するガイドラインも提案し、スムーズな難民の受け入れを図ります。3日のEU法相・内相会合で合意を目指します。

一時保護措置の仕組みは、大量の難民への対応で混乱した旧ユーゴスラビア紛争時の教訓から設けられました。ただ、加盟国の負担が大きく、これまでに導入されたことはありませんでした。欧州委によりますと、ウクライナからポーランドなど近隣の加盟国に流入した難民はすでに65万人を超えています。EUのフォンデアライエン欧州委員長は2日の声明で、「プーチン(露大統領)の爆弾から逃げる人々はすべて欧州で歓迎されている」と述べました。

対象者は原則、ウクライナ国籍の保有者です。ウクライナに合法的に居住し、出身国・地域に帰ることができない場合は、外国人も措置を受けることができます。

まずは1年間、EU域内の滞在資格が与えられ、状況に応じて、もう1年延長できます。域内の移動は自由で、定住する国を自分で選ぶことができます。滞在期間中は、住居や雇用の支援、医療・社会福祉サービスが受けられるほか、子供や若者には教育の機会が保障されます。

一方、ガイドラインでは、国境管理について手続きの簡素化や柔軟な対応を定めました。加盟各国は、パスポートなどの書類がなくても入国させたり、所持品の関税を免除したりするなどの対応が求められます。

EUでは通常、難民が最初に到着した国に保護申請手続きを義務付けています。このため、2015年以降の難民危機では一部の国々に負担が集中し、対応が追いつかいませんでした。一時保護措置にはこうした混乱を避け、ウクライナからの難民らに速やかな支援を提供する狙いがあります。(毎日新聞)