インドの財政相(写真:ANI) |
関係者からは「共同声明を採択できるとしたら首脳レベルのみだろう」と諦めに似た声も漏れます。
昨年2月のウクライナ侵略以降、G20の財務相・中銀総裁会議で共同声明は採択されておらず、G20の主要会議で合意文書を打ち出せたのは、同年11月にインドネシアで開かれた首脳会議(サミット)の首脳宣言のみです。宣言では「ウクライナでの戦争が世界経済に、さらなる悪影響を及ぼすことを目の当たりにした」などと明記する一方、ロシアの立場を併記し、採択にこぎつけました。
共同声明は各国が内容を了承したものとして文書の形で残ることから、文言の細部にまで各国が注文を付け、調整を行うことになります。特にウクライナ侵略については、中露が記載すること自体に否定的ですが、西側諸国には「(昨年11月の首脳宣言からの)後退は許されない」との声も多く、〝妥協点〟を判断するのは首脳レベルでなければ難しいのが現実です。
一方で、財務省のある幹部は「共同声明が出せなくても、G20が形骸化しているとは思わない」と話します。実際に今年4月の会議では、スリランカの債務問題解消へ新たな協議体を立ち上げるなど、前進もみられるからです。また、対露制裁で世界が一枚岩になれていない中、西側諸国にとっては、連携する国を広げていく場としての意味合いもあります。
アジア通貨危機後の1999年、新興国を含めた国々が一致して世界経済の安定に取り組むために創設されたG20ですが、分断する世界で、その存在意義も微妙に変わり始めています。(www.sankei.com)

