【ワシントン=東條仁史】米ワシントンで開かれていた20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議は15日午後、共同声明を採択して閉幕しました。「パナマ文書」の流出で問題になっている課税回避をめぐっては、各国間で銀行口座情報を提供する枠組みへの参加を強く促し、非協力的な国・地域に対抗措置を検討する内容を盛り込みました。世界経済については下振れ懸念を表明、金融緩和、財政支出など「全ての政策手段」で安定的な成長を実現する方針を再確認しました。

(写真:news.cn)
タックスヘイブン(租税回避地)を使った脱税行為の防止策として、各国の国税当局同士が、多国籍企業や非居住の個人の銀行情報を自動的に提供し合う仕組みが、経済協力開発機構(OECD)主導で2017年にも始まります。共同声明では、全ての関係国が早急にこの枠組みに参加することを求めました。15日時点で未参加のパナマ、バーレーンに対する圧力をかけた形です。
情報交換に非協力的な国や地域に対しては「G20による防御的措置が検討される」と明記しました。制裁的な対応も想定され、各国指導者や富裕層らによる不透明な資金の流れを断つ体制を目指します。閉幕後の記者会見で、麻生太郎財務相は合意内容について「極めて有効に働く」と評価しました。
減速する世界経済について、前回二月に中国・上海でG20を開いた時に比べて金融市場は回復したとしたものの、経済成長に「下方リスクや不確実性は残っている」と指摘しました。金融政策だけに頼らず機動的な財政出動、構造改革を実施する、としました。円高傾向が強まる為替相場については「過度な変動は経済に悪影響を与える」とする一方で「通貨の競争的な切り下げを回避する」との表現を盛り込み、上海G20の表現を変えませんでした。
