足元のインフレ率は10%超と歴史的な水準で、国民の生活は苦しくなる一方です。企業や国もまとまった賃上げには動きづらく、解決の糸口は見えていません。

イギリスでは夏ごろから鉄道ストが断続的に実施されています。労働組合は高インフレを受けて賃上げを求めていますが、会社側と折り合わないためです。10日には首都ロンドンの地下鉄がほぼ全線で動かなくなります。イギリスのメディアによりますと、組合側は人員削減の凍結などを求めたが決裂しました。

ロシアによるウクライナ侵攻でエネルギー価格の上昇に拍車がかかり、国民生活を直撃しています。9月のイギリスのCPI=消費者物価指数は前年同月比10.1%上昇と約40年ぶりの高水準でした。光熱費のほか食料品などが幅広く値上がりしています。

イギリスの数十万人の看護師を代表する組合は、設立からの約100年で初めてとなる全国的なストを実施することを決めました。NHS=国民医療制度に携わるスタッフの給与は政府が決めています。組合はインフレ率に5%を加えた水準の賃上げを国に求めています。

企業や国にとって、高インフレを上回る賃上げには簡単に応じづらいです。もし賃上げに応じればその分雇用を減らすなどの対応を迫られかねません。

イギリスのコンサルティング会社のスペンサースチュアートが2022年夏に英株価指数「FTSE350」構成企業の会長を対象に実施した調査では、今後1年の取締役会で議題になる案件について、「インフレの影響」との回答が87%にのぼり最も多かったということです。(日本経済新聞)