国連環境計画(UNEP)は9月2日、前例のない報告書の中で、世界の平均気温の上昇を産業革命前に比べて1.5度に抑える目標は達成できないと警告しました。そのうえで、地球の気温を再びこの水準に戻すための選択肢を示しました。
国連機関が、世界の気温上昇が1.5度の閾値を超えると明確に認めたのは、今回が初めてです。
国連のアントニオ・グテーレス事務総長は昨年、今後数年のうちにこの閾値を超えることはほぼ避けられないと認めていました。しかし、UNEPの今回の報告書は、国連機関としてこのシナリオを正式に確認した初の評価となります。
UNEPはこれまで、温室効果ガスの排出量が増え続け、世界の気温が相次いで記録を更新する中で、1.5度目標の達成はますます困難になっていると繰り返し警告してきました。
しかし、今回の報告書は、「温室効果ガスの排出削減に向けた世界の行動は、地球の気温が1.5度を超えるのを防ぐには十分な速さではない」と、率直な結論を示しました。
地球は現在、1850年から1900年の時期に比べて、およそ1.4度温暖化しています。主な原因は化石燃料の燃焼です。
科学者らは、気温が1.5度を超えるいかなる期間も、異常気象のリスクを高めると警告しています。また、大規模な氷床の消失やサンゴ礁生態系の崩壊など、取り返しのつかない変化を引き起こすおそれがあるとしています。
