国連のパン・ギムン事務総長は、イラク北部で国際テロ組織アルカイダ系の過激派組織が多数の一般市民らを殺害しているとして非難するとともに、今後、イラクだけでなく周辺各国も巻き込んだ大規模な戦闘に発展するおそれがあると強い懸念を示しました。

イラクでは、第2の都市モスルを制圧したイスラム過激派組織が、武器を持たない一般市民や投降したイラク軍の兵士らを大量に処刑したとされ、国連では、この数日間で数百人が犠牲になったとみています。

こうした事態にパン事務総長は17日、スイスのジュネーブで記者会見し、「一般市民の殺害などすべてのテロ行為を強く非難する。こうした行為はすべて裁きにかけなければならない」と述べて、イスラム過激派組織を批判しました。

そして「今後、イラク国内だけでなく周辺国も巻き込んで大規模な戦闘に発展する危険性が高まっている」と指摘し、戦闘がイラク国内だけにとどまらず国境を越えた紛争に発展することへの懸念を示しました。

イラクでは戦闘の激化に伴い、イスラム教のスンニ派地域とシーア派地域、それに北部のクルド人の地域に分裂するおそれも指摘されていますが、パン事務総長 は「イラクは1つの国であるべきだ」と述べて、すべての政治や宗教の指導者が事態の沈静化のために協力するよう呼びかけました。