国連のグテレス事務総長は18日、ロシアがウクライナ国境付近に大規模兵力を展開している問題に関し、事態が軍事衝突に発展すれば「壊滅的な被害をもたらす」と述べ、深い懸念を表明しました。グテレス氏は「外交に代わる(問題解決の)手段はない」とも強調し、「緊張を緩和するときだ」と呼びかけました。

グテレス氏は、ドイツ南部ミュンヘンで18日開幕した「ミュンヘン安全保障会議」での演説で、世界情勢は米露と中国による地政学的な対立が拡大しているせいで、東西冷戦の時代よりも「複雑化し、危険になっている」と指摘しました。

また、国連安全保障理事会の常任理事国である米中露の対立で「安保理はしばしば麻痺(まひ)している」と述べ、国家もテロリストのような非国家主体も「やりたいことを罰せられることなく好き勝手にできると信じ込んでいる」と語りました。

グテレス氏は、東西冷戦下では国家指導者が互いにか抱えるリスクを計算し、危機回避のシステムを構築していましたが、その多くは「もはや存在しない」と述べ、ひとたび事態がエスカレートすれば「制御不能に陥り、計り知れない被害をもたらす」と警告しました。

そして、地政学的な対立は「めったに改善されない」としつつも、対立は「管理されなければならない」と訴え、ウクライナ情勢をめぐり17日の安保理で互いを激しく非難した米露を念頭に「緊張をあおる発言」を慎むよう求めました。(産経新聞)