Wolfgang Ischingerミュンヘン安全保障会議議長(写真:AFP/TTXVN)

朝鮮民主主義人民共和国の核開発に加え、ロシアの抑止を念頭に、アメリカが核兵器を重視する方向に転換しました。ロシアによるアメリカ大統領選への介入を巡る対立も相まって、東西冷戦の終結以来、「核抑止」や「核使用のハードル」といった言葉が安全保障の表舞台を再び覆いつつあります。

核の脅威を巡る会議の議論は、朝鮮民主主義人民共和国問題を背景とした核不拡散体制の揺らぎへの懸念から、核戦略の見直しに広がりました。ストルテンベルグNATO=北大西洋条約機構事務総長は「朝鮮民主主義人民共和国はワシントンよりもミュンヘンに近い」と指摘しました。米欧の結束を訴えると同時に「ロシアや中国、朝鮮民主主義人民共和国が核兵器を持つ限り、NATOは核同盟であり続ける」と宣言しました。

こうした発言には、最大の核保有国である米ロの対立が影を落としています。アメリカは米ソ冷戦時代の1987年に署名したINF=中距離核戦力廃棄条約にロシアが違反し、中距離ミサイルの開発・配備を続けていると批判しました。2日に公表した核戦略の指針「NPR=核体制の見直し」では、小型核兵器を開発するなど核戦力をてこ入れする方針を明確にしました。(日経)