2月20日、イスラエルのテルアビブで行われた司法制度改革に抗議するデモ=AFP/TTXVN |
イスラエルでネタニヤフ政権が司法制度改革を推進し、国論を二分する議論が起きています。改革案は司法の権限を縮小して政府や国会の裁量を拡大する内容で、民主主義の根幹である三権分立を骨抜きにする狙いだとしてデモが頻発しています。「建国史上最も右寄り」とされる政権の動きは海外でも懸念を招いています。
イスラエルのメディアによりますと、「抵抗の日」と称する9日の反政権デモには数万人が参加し、エルサレムや西部の商都テルアビブなどで高速道路や橋を占拠しました。多数が警察に一時拘束されました。
ロイター通信は、中東歴訪中のアメリカのオースティン国防長官が8日にイスラエル入りする予定でしたが、混乱が予想されたため9日に訪問したと伝えました。通常は政治に関与しない軍の予備役の一部が服務を拒否して抗議の意を示したほか、通貨シェケルが対ドルで値を下げるなど、影響は広範囲に及びつつあります。
ネタニヤフ政権は1月前半に改革の草案を公表しました。イスラエル有力紙ハーレツ(電子版)によりますと、司法が持つ違憲審査権の制限が盛り込まれており、国会で成立した法律について、最高裁がイスラエル基本法(憲法に相当)に違反すると判断しても、国会がそれを覆すことが可能になります。裁判官の任命をめぐっても、政権の影響力を強化する条項があります。
昨年12月末にネタニヤフ氏を首相として発足した連立政権は、同氏が党首を務める右派「リクード」や、ユダヤ教の戒律を厳格に守る超正統派、対パレスチナ強硬派の極右政党などで構成されています。ハーレツ紙によりますと、各党にはそれぞれ司法への影響力を強めたい事情があります。(産経新聞)

