双方の主張の対立はすでに鮮明で難航は必至です。英国は大枠が固まらなければ、6月の決裂も辞さない構えを見せています。
焦点の貿易関係では、関税や数量制限のない自由貿易協定(FTA)締結を目指すことで一致しています。ただ、思い抱く具体像は食い違います。
EUは、英国が大幅に規制緩和を進めて不当に競争力を高める事態を警戒しました。公平さを確保するため、FTA締結の条件として雇用や環境保護、国家補助や税制などのルールをEU水準に合わせるよう英国に迫ります。
しかし、英国は「EUルールの受け入れを伴う必要はない」(ジョンソン首相)と拒否の姿勢です。EUと「カナダ型」のFTAを締結することを目標に据えます。一部に関税が残り税関検査などの制約も生じますが、英国はルールの裁量を確保でき、最重視するEUからの「経済的、政治的独立」を果たせます。
バルニエEU首席交渉官は「英国はカナダではない」と指摘しました。EUとの地理的、経済的結び付きの深さを理由にルール一致の必要を訴えますが、歩み寄りは見通せません。
