![]() |
資金の一部はEU=欧州連合離脱によりEUに払う拠出金がなくなることから捻出するとしました。NHSの財政悪化への批判に対応するねらいですが、実現性には疑問の声が出ています。
メイ氏が17日、BBCの番組に出演し、説明しました。金融危機後の緊縮財政のあおりでNHSの運営は急速に悪化し、人材確保や患者への対応で問題が頻発しています。メイ氏は年間3.4%の予算増を確保すると説明しました。EUへの拠出がなくなることで一部資金の確保が可能になり、「EU離脱の『配当』のようなものだ」と意義を強調しました。
イギリスは離脱後もEUに数百億ポンドの清算金を一定期間にわたり支払う予定で、イギリスの負担はすぐにはなくなりません。EUに払ってきた拠出金をNHSに充てる構想は、16年の国民投票で離脱派が目玉の公約として掲げましたが、「間違いだった」と撤回した経緯もあります。与党保守党のウォーラストン議員は「国民をばかにしている」と指摘し、資金の根拠が明確ではないと批判しました。
調査機関などはNHSの立て直しには年間5%の予算増が必要と指摘しており、政府の支援策は不十分とみています。
足元ではEU離脱の方針をめぐり英政府・与党内の対立が激化しており、離脱交渉の節目の6月末のEU首脳会議を控えて、メイ政権は迷走の色を強めています。NHS支援でメイ氏は求心力を高めたい考えですが、かえって世論や議会の批判を招くおそれもあります。

