ひとまず寧辺(ヨンビョン)核施設の廃棄と制裁解除の交換をしようという朝鮮民主主義人民共和国の主張に対して、「先に非核化実施」を掲げた一括妥結を繰り返し強調したのです。

ハノイでの米朝首脳会談の決裂後、ビッグディールかスモールディールか、トータル・ソリューション(完全な解決法)か段階的行動かで対立し、膠着局面が深まるムードです。韓国政府が出て、「グッド・イナフ・ディール(good enough deal)」まで出しましたが、さらなる論議を呼ぶようなものです。これでは合意どころか交渉再開も不可能です。米朝間の膠着が長期化すれば、ややもすると感情対立と言葉の戦争に、さらには武力示威と戦争危機に飛び火する恐れもあります。

このような憂慮が現実化する前に、米朝は非核化の圧縮的履行に向けた一括妥結の合意を急がなければなりません。非核化は一気に実現できるイベントではなく時間がかかるプロセスです。しかし、履行過程は相互の意思と信頼により早く進む可能性があります。特に、全体の設計図があれば工程も大幅に短縮できます。このような認識をもとに非核化の全体の設計図と迅速な工程を明らかにした一括妥結の合意を成さなければなりません。

それには一括妥結を拒否する朝鮮民主主義人民共和国が態度を変えなければなりません。朝鮮民主主義人民共和国が出した「行動対行動」の段階別措置は、段階ごとに新たに交渉して次の段階に移るというものです。このような形では、非核化の終結まで首脳会談を何度も繰り返すことになります。ハノイ会談の決裂もこのような態度が原因となりました。そのため、非核化の入口はもとより出口も合意できず、入口から出口までの経路、すなわち行程表も作ることができませんでした。