アメリカ国家安全保障会議のカービー戦略広報調整官=AFP/TTXVN

NSC=アメリカ国家安全保障会議のカービー戦略広報調整官は13日、アメリカ政府が検討しているサウジアラビアとの関係見直しをめぐり、武器売却の縮小が選択肢になると表明しました。アメリカにとってサウジは最大の武器売却先で、両国の関係悪化は中国やロシアとの接近を招くリスクもはらむということです。

カービー氏は13日、アメリカのフォックステレビのインタビューで与党・民主党内にサウジへの武器売却を凍結すべきだとの意見が出ていることへの対応を問われ「武器売却(の扱い)はバイデン大統領が検討する選択肢の1つになる」と明言しました。「量や規模、プログラム全体だ」とも語りました。

OPEC=石油輸出国機構とロシアなど非加盟の主要産油国でつくる「OPECプラス」が5日に大幅減産を決めたのを受け、バイデン氏はサウジとの関係見直しを検討すると明らかにしました。バイデン氏は13日、記者団に「これから(サウジ側と)話をする」と述べました。協議の内容には言及を避けました。

アメリカでは11月8日に中間選挙を控えます。バイデン氏らが強硬な姿勢をとるのは、減産でガソリン価格が上がれば与党・民主党の逆風になりかねないとの危機感があるためです。

上院外交委員会のメネンデス委員長(民主党)は10日の声明で、アメリカ政府が「絶対に必要な場合を除き」サウジへの武器売却や安全保障協力を含めたあらゆる協力関係を直ちに凍結するよう要請しました。別の議員は11日に武器売却を即時停止する法案を共同提出すると発表しました。

カービー氏は「バイデン氏はOPECの決定への懸念を表明している多くの議員の意見も考慮したいと考えている」と指摘しました。決断の時期に関しては「未定だ。サウジとの関係が国家安全保障上の利益に合っているか厳しく見極める必要がある」と話しました。

アメリカは世界最大の武器売却国で、2017~21年の輸出先のトップはサウジでした。2位だったオーストラリアの2倍以上の規模に相当します。カービー氏はアメリカが武器売却を減らせばロシアや中国からの調達が増えるのではないかと聞かれ「それはサウジ自身が決めることだ」と突き放しました。

アメリカとサウジの関係が再び悪化すれば、両国と敵対するイランの増長を招いて中東の不安定化につながるおそれがあります。(日本経済新聞)