ロイター通信は米軍撤収に「60~100日かかる」との米政府関係者の見通しを伝えました。実現すれば、アサド独裁政権を支えるロシア、イランが影響力を増し、ISの再台頭の恐れもあり、中東情勢に大きな影響を与えることは必至。与党共和党議員らも反発しています。
トランプ氏は19日、ツイッターに投稿した約1分20秒のビデオメッセージで「軍が帰国する時が来た。準備は進んでいる」と述べました。一方、国防総省のホワイト報道官は声明で「部隊撤収のプロセスを始めた」としつつも、「IS掃討は終わっていない」としており、撤収時期の調整は長引きそうです。
アメリカはオバマ前政権が2014年9月、有志国連合を主導してIS掃討を目的にシリア空爆を開始しました。17年のトランプ政権発足後は地上軍も派遣してクルド人主体の民兵組織を支援し、同年10月にはISの「首都」ラッカを攻略。現在は残党の掃討を続けています。
中東地域への巨額の軍事費支出に不満を持っていたトランプ氏は以前から、早期撤収を主張しました。だが、マティス国防長官はIS掃討戦の継続に加え、米国がシリア和平会議で交渉力を持つには駐留継続が必要であることを主張してきました。
独善的に撤収を決めたトランプ氏の判断について、共和党のグラム上院議員は「重大な失敗」と指摘しました。オバマ前政権が11年にイラクから米軍を撤収した後、ISが台頭したことを念頭に「シリアでも同じことが起きる」と懸念しました。
