イスラエルとエジプトはかつて敵対関係にありましたが、情勢不安定なシナイ半島で共通の敵に対抗するため、近年は安全保障面の結びつきを強めています。

     (写真:Middle East Monitor)

合意では、ノーブルとデレクがエジプトのドルフィナス・ホールディングスに対し、イスラエル沖にある「タマル」と「レビアタン」の両海洋ガス田から10年にわたり640億立方メートルのガスを供給します。デレクが明らかにしました。

長らく期待されていた今回のガス供給合意は、輸出促進を通じて中東地域で外交関係を深めたいイスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相にとって、大きな政治的得点となります。イスラエル当局者は、今回の合意が地域の和平と協力に向けた一歩となると称賛しています。

ネタニヤフ首相は声明で「今日は喜ばしい日だ」とコメントしました。

一方で、エジプトのアブデル・ファタ・シシ大統領にとっては、今回の合意は厳しい問題を突きつけます。シシ大統領はエネルギー自給を再び実現するため、エジプトの沖合油田のガスを利用すると表明していました。だが大統領選挙を来月に控え、エジプト国民はシシ政権のイスラエルとの関係について、懐疑的な見方を強めています。

エジプトではかつて、イスラエルとのガス供給合意は政治的な火種となりました。ホスニ・ムバラク元大統領は2011年に民衆蜂起によって失脚する以前に、イスラエルに天然ガスを売却したことを非難されていました。

アナリストは、3月の大統領選挙を控えたタイミングでの合意は、政治的にセンシティブな問題であることを踏まえると注目に値すると指摘。また、国内の反発に対処できるとのシシ大統領の自信を示しているとみている。