オーストラリアのターンブル首相と安倍首相(写真:AP)

朝鮮民主主義人民共和国の核・ミサイル開発や中国の海洋進出を踏まえ、インド太平洋地域での安全保障・防衛協力の強化を確認しました。自衛隊とオーストラリア軍が相手国内で共同訓練を円滑に行うため、新協定を早期に締結する方針でも一致しました。安倍首相は、アメリカ以外の国とも安保分野の連携を進める姿勢を鮮明にしました。

両首脳は会談後、共同記者発表に臨み、安倍首相は「両国の共同訓練を質量ともに強化し、可能な限り早期の新協定妥結を目指す」と強調しました。ターンブル氏も「安保・防衛分野で緊密に協力していかなければならない」と応じました。

新協定は「VFA=訪問部隊地位協定」や「円滑化協定」と呼ばれます。日本は在日米軍と、権限や法的地位を定めた地位協定を結んでいますが、一時滞在を前提とした訪問部隊の地位協定が締結されれば初めてです。

会談では、朝鮮民主主義人民共和国への圧力を最大化し、核武装を阻止する方針を共有しました。政府関係者によると安倍首相は「朝鮮民主主義人民共和国は南北対話を進める一方で核・ミサイル開発を継続しており、状況はむしろ悪化している」と指摘しました。インド太平洋地域の平和と繁栄の確保に向け、両国とアメリカ、インド四カ国の連携継続も再確認しました。

会談に先立ち、両首脳は千葉県の陸上自衛隊習志野演習場を視察しました。安倍首相は官邸で開いたNSC=国家安全保障会議特別会合にターンブル氏を招待しました。

安倍政権はオーストラリア、インド以外にもイギリスやフランスなどと安保・防衛協力を加速させています。

昨年来日したイギリスのメイ首相をNSC会合に招きました。イギリスともVFA締結の協議を進める。フランスとは外務・防衛閣僚協議(2プラス2)を重ねています。

自衛隊との共同訓練も増えています。空自は16年、イギリス空軍の戦闘機と初の共同訓練を実施しました。今年中に、空自とオーストラリア空軍の戦闘機による初の共同訓練も行います。海自は17年、アメリカ、インド海軍との共同訓練に初めて正式参加しました。一連の防衛協力は朝鮮民主主義人民共和国や中国を念頭に置いており、地域の緊張を高める可能性もあります。

安倍、ターンブル両首相の会談ではTPP=環太平洋連携協定に関し、アメリカを除く参加11カ国による署名と発効への協力でも合意しました。