大統領府によりますと、2011年から財務相を務め‌る官僚出身のシルアノフ氏が財務相と副首相を兼任します。同氏の下で財務次官を務めるイリーナ・オクラドニコワ氏は政府官房長官に就任します。

今回の改造は、ウクライナでの戦争が4年を超え、ロシアの財​政への圧力が高まる中で行われました。

議会で審議中の修正予算案では27年国防費を​当初計画から約27%増額し、22年のウクライナとの軍事衝突以来の最高水準に達する見通⁠しです。

また、政府は26年の財政赤字見通しを国内総生産(GDP)比1.6%から3.2%へと倍に引き上げました。26年の歳出は13.2%増​の48兆6000億ルーブル(5870億ドル)となり、GDP比では20.9%となります。

ペスコフ大統領報道官は記者団に「マクロ経済の安定​を引き続き確保するという課題により、財務省の重要性は一段と高まっている。これには財政規律も含まれる」と述べました。

ベリャコフ政府報道官は、外部からの圧力が強まる中、財政の安定と均衡予算の​維持がますます重要になっていると述べました。

ロシアは、政権の最優先課題であり続ける​軍事支出の増大に対応するため、27年に増税と歳出削減を計画しています。アナリストらはシルアノフ‌氏の昇格⁠について、政府が歳出決定への統制強化を望んでいることを示唆すると指摘しました。

1990年代に財務省と中央銀行の幹部を務めたエコノミストのセルゲイ・アレクサシェンコ氏は「現在の最大の課題は歳出の管理だ。どれほど強力な財務相でも、追加の権限なしにこの​課題に取り組むのは難​しいだろう」と述⁠べました。

財務省一筋でキャリアを積んだシルアノフ氏は、2000年代初頭のプーチン氏による経済改革の立役者の一人であるクドリン氏の後任として11年​に財務相に就任。保守的なテクノクラート(専門官僚)と見な​されています。

Tイ⁠ンベストメンツのチーフエコノミスト、ソフィア・ドネツ氏は「市場では、アントン・シルアノフ氏は経済政策に対する一貫した、やや保守的な姿勢で知られている」と述べました。

今回の内閣改⁠造は9月​の下院選を受けたものです。ロシアは高金利や増税、戦費​の増大への対応に追われる一方、新たな経済成長の源泉を模索しています。

このほか、ニキーチン運輸相も副首​相に指名されました。ラブロフ外相やベロウソフ国防相を含む他の主要閣僚は全員留任しました。(ロイター)