(毎日)ロシア外務省は10日、欧州での戦車など通常兵力を削減・管理するCFE=欧州通常戦力条約の活動を「完全に停止する」との声明を発表しました。ロシアはNATO=北大西洋条約機構が東欧やバルト3国で軍事演習を行うなど共同防衛強化に取り組んでいることを強く非難しており、通常戦力を制限する条約を名実共に終わらせることで、軍拡で対抗することも辞さない意思を明確にしました。

ロシアは米国が欧州でMD=ミサイル防衛計画を進めることに対抗し、同条約の履行を2007年に停止しています。今回は、条約の履行確認のために設置した「協議グループ」への参加を11日で中止すると表明しました。CFE条約が「完全に停止」されれば、欧州での通常戦力への制限がなくなり、ロシアと NATOが無制限な軍拡に走る恐れが出てきます。

NATOはこれまでロシアがCFE条約を「順守していない」と批判し、特にウクライナなど黒海沿岸地域の安全保障に悪影響を与えていると憂慮してきました。一方、ロシアは、昨年末に改定した軍事ドクトリンでNATOを改めて脅威と位置づけ、対抗策を取る意思を明確にしています。米国がバルト3国での軍事演 習のために3000人規模の兵力を送ることについて、ラブロフ露外相は10日、「信頼醸成に反する」と強く批判しました。

CFE条約は1990年にNATOと当時のワルシャワ条約機構加盟国が調印しました。1991年のワルシャワ条約機構解体後、92年に発効しました。