ブラジルのルイス・イナシオ・ルラ・ダシルバ新大統領=AFP/TTXVN |
ルラ氏は2003年から10年まで2期8年間にわたり大統領を務めており、今回が通算3期目となります。
昨年10月の大統領選決選投票で惜敗し、今も敗北を受け入れていない軍人出身の右派ボルソナロ前大統領は、退任を目前にした12月30日にアメリカへ出国しました。就任式出席を避けました。
連邦議会で行われた就任演説で、ルラ氏は「(10月の)選挙の最大の勝者は民主主義だ」と強調しました。「われわれは、個人的かつイデオロギー的な意図に国を従属させようとした人々への報復は考えていない」と述べ、ボルソナロ政権を批判しながらも、選挙で真っ二つに分断された国民に和解を呼び掛けました。
ルラ氏は、貧困対策や先住民対策に力を入れる考えも表明しました。「アマゾンの森林破壊ゼロが目標だ」と述べ、農業目的の森林伐採は必要ないと指摘しました。治安対策では「ブラジルにこれ以上の武器はいらない。必要なのは平和と安全だ」と述べ、前政権が自衛権強化を目的に緩和した銃規制を再び強化する考えを示しました。
一方、新型コロナウイルス対策を巡っては「人口比でブラジルほど新型コロナによる死者が多い国は他にない。このことは(新型コロナ)否定論者や曖昧主義者、命に無神経な政府の犯罪的態度を物語っている」と強調しました。強力な対策に消極的だった前政権の責任を厳しく追及する意思を明らかにしました。
ルラ氏はボルソナロ政権が軽視してきた社会福祉や環境対策に力を入れる姿勢を示す一方、前政権が進めてきた行財政改革には後ろ向きです。国営企業の民営化にストップをかけ、歳出上限撤廃を打ち出すなど、さらなる財政悪化を招きかねない政策は市場から不安視されています。前政権下で23まで減った省が37に増やされるなど、「大きな政府」復活を着々と進めています。(時事通信)

