トー・ラム書記長・国家主席は、人間と自然との関係が大きな転換点を迎えている中、環境保護を国家安全保障および人間の安全保障の中核課題として位置付ける必要があると強調しました。

また、グリーン成長、環境保護、海洋保全、気候変動への対応を、新時代における国家発展モデルの柱とするという一貫した方針を確立しなければならないと指摘しました。

その実現に向けて、今後は6つの重点課題に取り組む必要があるとしています。まず、自然を持続可能な発展の基盤と捉え、環境ガバナンスの考え方と制度を整備することです。すべての発展戦略や計画、事業は、生態系の許容量や気候変動への適応能力、国民の健康保護という観点を踏まえて策定されなければならないとしました。

次に、成長モデルやエネルギー構造、生産・消費活動、都市化の各分野でグリーン・トランスフォーメーションを推進し、それを国家競争力向上の原動力とする必要があると述べました。

さらに、海洋経済については、「環境に配慮し、近代的で責任ある形で発展させ、国家主権の保護、国民の生計向上、海の平和維持と結び付ける」ことが重要だと指摘しました。科学技術や海洋データ、生態系保全を基盤とした新たな海洋経済モデルを構築し、グリーン港湾、洋上再生可能エネルギー、海洋バイオ産業、海洋・島しょエコツーリズム、海事サービスなどの発展を進める方針です。また、違法漁業の取り締まり、水産資源の保護、漁業従事者の生活向上にも力を入れる必要があるとしています。

このほか、自然生態系の回復や気候変動への適応力強化を国家の戦略的インフラとして推進するとともに、科学、データ、デジタル技術、そして社会参加に基づく環境ガバナンス体制の構築、グリーン移行における公平性の確保、気候変動・環境・海洋分野での国際協力の強化にも言及しました。

ベトナムは気候変動の影響を大きく受ける海洋国家です。3,260キロメートルを超える海岸線、二つの大規模デルタ地帯、密集した河川網、多くの沿岸都市を有し、数百万人の漁業従事者や住民が暮らしています。そのため、海面上昇、暴風雨、洪水、塩害、海岸浸食、環境汚染、水産資源の減少、生態系の変化、さらには自然資源の過剰利用による影響を受けやすい状況にあります。