シリアでは、2011年3月15日に「アラブの春」と呼ばれる民主化運動が波及する形で反政府デモが各地に広がり、これをアサド政権が弾圧したことで激しい内戦に発展しました。

人権団体や国連によりますと、この9年の死者は38万4000人に達し、このうち市民の犠牲は11万6000人以上にのぼっているほか、いまだ550万人以上が国外に逃れたままです。

内戦は、ロシアの後ろ盾を受けて、アサド政権が軍事的な優位を固め最終局面に入ったものの、北西部のイドリブ県では、反政府勢力を支援するトルコも絡んで激しい攻防が続いています。

今月初めにロシアとトルコが停戦で合意したものの、100万人近くが家を追われ避難民となるなど新たな人道的な危機も深まっていて、戦闘の再燃が懸念されています。

また、国連が仲介する政治的解決に向けたプロセスも行き詰まっていて、10年目に突入する内戦の終息はいまだ見通せないままです。(NHK)