内戦が続くシリアでは、安保理決議に基づいて北隣のトルコから国境を越える2つのルートを使って、反政府勢力の最後の拠点であるシリア北西部のイドリブ県などに食糧や医薬品などを届ける人道支援が行われています。
しかし決議ではこのルートの使用期限を今月10日としていることから、安保理では欧米側が期限の6か月延長を求める決議案を提出し10日、採決が行われました。
その結果、15か国のうち13か国が賛成したものの、常任理事国のロシアと中国が拒否権を行使したため決議案は否決されました。
この問題では欧米は新型コロナウイルスの感染拡大も重なって人々の暮らしはさらに悪化しているとして、2つのルートを維持すべきだと主張していますが、主権の侵害だと反発するシリアを支援するロシアや中国はルートは1つで十分だとしています。
決議案を提出したドイツとベルギーは「シリアの人々の生命線を確保しなければならない」として協議を続けるとしていますが、ロシアや中国との間で合意が得られるかは不透明でシリアの人々の生活がさらに悪化する懸念が強まっています。(NHK)
