ピター氏(写真:ロイター)

有権者からの人気が高く、5月の総選挙で勝利した前進党ですが、親軍政権による混乱が長く続く中で、新たな挫折に直面した形です。

一時的な議員資格の停止は、選挙管理委員会によるピター氏への申し立てを受けた措置。同委はピター氏が選挙法に違反し、メディア企業の株を保有していると訴えています。

ピター氏はかねて違反を否定。選管がこの件を急いで裁判に持ち込もうとしていると非難していました。

前進党はタイの国家運営を巡り、大規模な構造改革を行うことを公約に掲げます。具体的には軍隊や経済の改革、権力の集中排除に加え、これまで触れられることのなかった王制の改革にも前向きな姿勢を示します。

過去最高の投票率を記録した5月の総選挙では最多の議席を獲得し、2014年のクーデター以降実権を握る親軍派の既得権益層に大きな打撃を与えました。

今回の裁判所の判断は、前進党の若い支持基盤の間に一段の反発を引き起こす公算が大きいです。大規模な街頭デモが発生する可能性もあります。

ただ先週国会で行われた首相指名選挙で、ピター氏には首相に選ばれるだけの票が集まりませんでした。過去の軍事政権が創設した同国の政治システムは、王政主義者や保守派の既得権益層が極めて優位に立つ仕組みとなっています。タイでは長年にわたり、これらの層が権力を掌握してきました。(CNN)