複雑化するシリア内戦への対応やイスラエルとパレスチナの和平交渉の再開を協議するのが狙いで、国務省高官は9日、ティラーソン氏がトルコへの訪問時に、同国が1月からシリア北西部アフリンで展開している少数民族クルド人勢力に対する軍事作戦を自制するよう求めることを明らかにしました。

ティラーソン氏はヨルダン、トルコ、レバノン、エジプト、クウェートを訪問します。トルコでは、同国軍部隊が国境を越えてシリアで実施しているクルド人民兵組織「人民防衛部隊」(YPG)への軍事作戦に関し、「攻撃を自制し、イスラム教スンニ派過激組織『イスラム国』(IS)掃討に集中するよう強く伝える」(国務省高官)。

同高官は、トルコ国内で独立を掲げる非合法武装組織「クルド労働者党」(PKK)への対抗措置も協議するとしてトルコ政府の懸案に理解を示しました。だが、トルコ側はYPGをPKKの分派とみなし、YPGを含む「シリア民主軍」(SDF)への米国の支援に反発しています。トルコが攻撃を続ければ、同国も参加してIS掃討に当たる米軍主導の有志連合の間で衝突に発展する恐れもあります。

そのため、国務省高官はティラーソン氏のトルコ訪問は「難しい協議になる」と認めました。同氏はクウェートでの有志連合やイラク支援国による国際会議にも出席し、IS掃討や復興支援への協力を呼びかけます。