メルケル首相  (写真:Reuter)


米国がドイツ国内で情報収集している問題に関連して、ドイツ政府は10日、同国内の米大使館に勤務する情報機関代表者に対し国外退去を求めました。ドイツでは昨秋に米国家安全保障局(NSA)がメルケル首相の携帯電話を盗聴していた疑惑が発覚しましたが、今月に入り、米国スパイの摘発が相次ぎ、両国間の緊張が再び高まっています。

ドイツ連邦検察庁などは2日、ドイツ情報機関・連邦情報局職員の男(31)をスパイ容疑で逮捕した後、9日に別のスパイ容疑でドイツ国防省職員の男の自宅などで家宅捜索を実施しました。同盟国によるスパイ行為に強い抗議の意を示す狙いで、10日には米情報機関代表者に対する国外退去要求に踏み切りました。メルケル首相は「非常に深刻な事態。同盟国間の信頼に基づく協力関係に矛盾する」と不快感をあらわにしました。

9日に家宅捜索された国防省職員は、武器・軍備面での国際協力の担当者とみられ、数カ月前から連邦軍防ちょう機関によって米側との不審な接触が疑われていました。

大使館職員に対する退去要求を受けて、米国家安全保障会議(NSC)のヘイデン報道官は10日、「米独 の安保・情報分野の関係は極めて重要で、両国民を守るものだ。協力継続が必要だ」と述べましたが、直接のコメントを避けました。