(写真:ロイター)

EUと大筋合意した離脱協定案に反発する議員がメイ党首の不信任投票を求めていましたが、投票の実施に必要な議員数にまで支持が広がりませんでした。ただ22日にまとまった政治宣言も含めて英・EUの合意案への反発は英国内でなお強く、英議会が了承するメドはたっていません。

保守党には下院議員の15%(現行は48人)の書簡が集まれば、不信任投票を実施する規定があります。反メイ派は英政府が離脱協定案を了承した14日以降、首相交代のための不信任投票が必要だと訴えてきました。これまで約30人が書簡を送ったことを公表していますが、23日現在で48人に到達しなかったもようです。

不信任投票を訴えるのはリースモグ議員など強硬離脱派が中心です。離脱協定案にはアイルランドの国境問題の暫定的な解決策として、イギリスをEUとの関税同盟に一時的に残す案が盛られています。これに対し強硬派は「EUルールに縛られ続け、英国の主権を回復できない」とメイ首相を批判し続けていました。

だがその強硬派の結束も「首相交代」の点ではもろさを露呈しました。20日に記者会見したリースモグ氏は48人達成に向けて「忍耐が必要だ」と支持の伸び悩みを認めました。

不信任は免れたとはいえ合意案への与党の反発は根強く、メイ政権にとって離脱合意の英議会の了承が見通せない点は変わりません。野党第1党の労働党は22日の議会で「反対票を投じるだろう」(コービン党首)と断言しました。メイ首相は23日、BBCのラジオ番組で「議会が合意案を否決すれば、より国が分断し不確実性が増す」と訴えましたが、経済に混乱を及ぼす無秩序離脱を回避できるかはなお不透明な状況です。