イギリス政府は15日、発展途上国からの輸入関税を引き下げる「途上国貿易スキーム」を来年1月から導入すると発表しました。イギリスではほとんど生産されていない衣料品や一部食品などを中心に数百点の製品の関税を引き下げることで、国内企業の輸入コストと消費者負担の削減を狙います。
新たな制度はEU=欧州連合の発展途上国向け一般特恵関税制度を拡大したもので、衣料品と履物、オリーブオイルやトマトなどの食品が低関税または無関税となります。対象はアフリカ、アジア、オセアニア、南米の65カ国です。
イギリスが発展途上国から無関税で輸入している製品は既に数千点に上りますが、新制度によりアフリカからの輸入品のほぼ99%で関税が撤廃されます。また、例えばキュウリのように冬季はイギリスで栽培できない食品については、季節を限って関税を撤廃します。さらに、原産地規則などの貿易ルールも簡素化することで、発展途上国の企業が製品をイギリスに輸出しやすくなるということです。
今回の措置により、イギリス企業は年間7億5,000万ポンドを超える輸入コストの削減が可能になります。一方で、人権や労働権の侵害、気候変動に関する義務の不履行などを理由に、政府が特定の貿易相手国に適用を停止する権限も設けました。
トレビリアン国際貿易相は新制度について、「イギリス企業の支援と消費者の生活費削減を可能にし、同時に世界中の発展途上国の経済を支援していく」と説明しました。貿易を通じて発展途上国の貧困撲滅を支援するだけでなく、各国が援助への依存を減らすための幅広い取り組みの一環と述べています。(NNA)
