(写真:VOVのプノンペン支局)

任期満了に伴うカンボジアの下院(定数125、任期5年)総選挙が23日に行われます。有力野党が排除された中で実施されるため与党・カンボジア人民党の圧勝は確実で、選挙後は38年間首相を務めるフン・セン氏(70)から長男のフン・マネット氏(45)への首相世襲が現実味を帯びます。

有権者は約970万人です。選挙は比例代表制で、首都プノンペンなど25の選挙区で争われます。

2018年の選挙は、人民党が全議席を獲得しました。アメリカの支援で国家転覆を図ったとして、有力野党の救国党の党首が17年に逮捕され、同党も解党処分を受けたことが影響しました。

今回も人民党の圧勝が確実視されます。救国党の後継で22年の地方選挙で第2党となった野党キャンドルライト党(CP)は今年5月、政党登録時の一部書類の原本を選挙管理委員会に提出しなかったとして、選挙への参加を認められませんでした。

救国党解党時に当局が原本を押収したとされており、CP側は地方選挙と同様にコピーを提出しましたが、今回は受理されませんでした。欧米各国は「民主主義を損なう」などと批判し、日本も懸念を表明しました。

野党弾圧の背景について、カンボジア政治の専門家は「フン・セン首相には、人民党を圧勝させ、選挙後に安定した状態で世代交代を図る狙いがある」と分析します。

選挙では、フン・セン首相の長男で陸軍司令官を務めたフン・マネット氏が人民党から初めて出馬しました。当選は確実で、次回28年選挙までに首相に選出されるという見方もあります。

専門家は「フン・セン首相には、1970~90年代の内戦などで傷ついたカンボジアに安定と経済成長をもたらしたという自負がある。世代交代は図りつつ、人民党の党首は辞任せずにしばらくは影響力を持ち続けるだろう」と指摘しました。(時事通信)