キューバ駐在の米国大使館=Reuters

米国とキューバの関係正常化が停滞するのは避けられない情勢です。この問題では昨秋から今年8月、大使館勤務の外交官やその家族計21人が聴覚障害や耳鳴りなどを発症しました。音波や電子的な武器による攻撃の可能性も指摘されますが、両国政府は実行者や原因を特定できていません。

米国務省は29日、緊急的な業務に携わらない職員とその家族に退避を命じました。町中のホテルでも外交官が被害を受けており、国務省は米市民に渡航自粛を要請しました。安全性が確保されるまで一連の措置を継続するとしています。

ティラーソン国務長官は声明で「外交関係は維持する」と表明しつつ、「キューバ政府が攻撃を防ぐ適切な方法をとる責任がある」と強調しました。ティラーソン氏は17日、米テレビ番組で大使館閉鎖を検討中だと明らかにしましたが、閉鎖にまでは踏み込みませんでした。

オバマ前政権時代の2015年7月、両国は国交を回復して大使館を再開しました。しかし、トランプ大統領は今年6月、キューバ軍・情報機関の関連企業との取引規制などを発表し、対キューバ制裁緩和策の見直しを表明しました。今回の大使館員帰国措置などを受け、両国関係はさらにぎくしゃくしそうです。